2024年12月18日 ワシントン大学医学部
「迷走神経刺激は深刻なうつ病の症状を緩和する」
Vagus nerve stimulation relieves severe depression
以下、引用。
大規模な臨床試験の結果により、治療抵抗性うつ病の健康保険適用への道が開かれる可能性がある。
ワシントン大学医学部が主導した全国多施設臨床試験の結果によると、神経刺激療法を受けた重度の治療抵抗性うつ病患者は、1年後にうつ病の症状、生活の質、日常の課題をこなす能力に著しい改善が見られた。
この研究には、米国全土の 84 施設で約 500 人が参加した。参加者全員が、薬物療法や他の方法では効果的に治療できない重度のうつ病を患っていた。
各参加者には、脳と内臓を結ぶ主要な導管である左迷走神経を刺激するデバイスが埋め込まれたが、デバイスの電源がオンになったのは半数だけだった。
平均すると、各患者は試験に参加する前にすでに13種類の治療を試したが効果がなく、人生の半分以上をうつ病で過ごしていた。しかし、その非常に高いレベルの持続的な病気にもかかわらず、うつ病の症状、生活の質、機能的結果に統計的に有意で測定可能な改善が見られる。
改善のほとんどは治験の最後の 3 カ月まで見られなかった。迷走神経刺激による潜在的な改善は、治療の最初の 1 年間はゆっくりと進行することが知られているため、この結果は意外ではない。
埋め込み型の迷走神経刺激デバイスにより、1年間ゆっくりとかけて治療抵抗性うつ病が改善したというのは面白い結果です。わたしは毎日、自分に鍼灸していますが、うっすらと身体の低強度の慢性炎症が改善する実感があります。この改善は劇的ではなく、あまりに小刻みなので、ヘルス・プロフェッショナルでないと気づけない可能性が高い印象です。
鍼灸を年単位で続けると、患者も、そして施術者すらも予想していなかったような難しい症例の改善をベテランの鍼灸師の先生は経験していると思います。そういう意味で面白い結果だと思いました。
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