2016年8月25日に『薬理学フロンティアー』掲載の論文
「慢性痛に対する抗てんかん薬の現状」
Current Status of the New Antiepileptic Drugs in Chronic Pain
Harpreet S. Sidhu and Akshay Sadhotra
Front Pharmacol. 2016; 7: 276.Published online 2016 Aug 25.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27610084
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4996999/
以下、引用。
多くの新しい抗てんかん薬(AEDs=リリカやガバペンチン)は動物モデルでは良い結果を出しているが、プラセボ対照ランダム化臨床試験においてはストロング・エビデンスを出すことに失敗している。
有害事象は、ガバペンチンにおいて最も顕著におこっている。ガバペンチンを投与された人の最低でも64%が有害事象を経験しており、11%は有害事象のために投薬を中断している。14%が眠気を感じ、19%が眩暈を起こし、7%が局所のむくみ、9%が歩行障害を経験している。
ガバペンチンについての膨大な証拠から帯状疱疹後神経痛、糖尿病性末梢神経障害、混合性神経痛を除く神経因性疼痛(慢性疼痛)におけるガバペンチンの効果の証拠は「非常に限定されており、無いに等しい」であり、効果があるのか無いのかについてさえ確証が存在しない。
ガバペンチンについて発見された効果のレベルは、他の薬物療法と併用された状況でのみ効果が診られている。
(1)虚偽で違法なマーケティングの実践:
製薬会社は学会での製薬会社主催ランチョン・セミナーやカンファレンス、医学教育セミナーなどの強力な販売ストラテジー戦略により処方の責任者である医師に影響を及ぼしている。
製薬会社のセールスにおける他の方法とは、医師たちに謝礼を払って名前を使わせてもらい、ゴーストライターに科学論文を書かせて、製薬会社の薬の販売をプロモートすることである。古典的な例はデビッド・フランクリン医師であり、マサチューセッツ州における地方裁判記録にファイルされており、多国籍企業のファイザー製薬が良いエビデンスが存在しないのにガバペンチンの販売で非倫理的な販売方法をしたことである。
のちにファイザー製薬は違法な薬のマーケティングにより有罪を宣告された。ファイザー製薬は違法なマーケティング戦略によりガバペンチンを認可以外の処方で販売したことを認めた。この違法行為によりファイザー製薬は24億ドルを支払った。
ハーバード大学のデビッド・フランクリン医師がファイザー製薬のガバペンチンを適用以外の慢性疼痛への使用を勧めたのですが、ガバペンチンを服用すると自殺のリスクが高まることを隠しながら勧めたことがばれました。それで、アメリカではガバペンチンの添付文書に自殺企図のリスクが高まることが書かれるようになりました。
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