鐘南山チームによる蓮花清瘟研究

 

2020年3月23日
「鐘南山チーム新研究:蓮花清瘟は体外試験で、新型コロナウイルスに明らかな抗ウイルス抗炎症作用がある」
钟南山团队新研究:连花清瘟体外试验显示抗新冠病毒抗炎作用

 


エルゼビア社の『薬理学研究(Pharmacological Research)』 に鐘南山先生の研究チームが発表した論文です。


2020年3月20日
「『蓮花清瘟
』 は新型コロナウイルスに対して抗ウイルス作用・抗炎症作用がある」
Lianhuaqingwen exerts anti-viral and anti-inflammatory activity against novel coronavirus (SARS-CoV-2).
Zhong Nanshang et al.
Pharmacological Research
Available online 20 March 2020, 104761

 


腫瘍壊死因子(TNF)やインターロイキン6(IL-6)を抑制してサイトカインストームを抑制する可能性が示唆されています。
『新型冠状病毒肺炎诊疗方案(试行第六版)』にも连花清瘟胶囊は推奨されています。蓮花清瘟は板藍根などが配合されており、銀翹散と麻杏甘石湯を配合したような処方であり、新型インフルエンザやSARSにも抗ウイルス作用が確認されています。 『中医臨床』に 蓮花清瘟に関する藤田康介先生の素晴らしい記事があります。

 


藤田康介先生  2009年11月
「タミフルより有効な連花清瘟カプセル」
http://www.chuui.co.jp/cnews/001658.php

 

以下、引用。

連花清瘟カプセルの処方内容(連翹・金銀花・炙麻黄・炒苦杏仁・石膏・板藍根・錦馬貫衆・魚腥草・広藿香・大黄・紅景天・薄荷脳・甘草)は大まかに麻杏石甘湯と銀翹散の組み合わせになっている。いずれも過去に伝染病の治療で威力を発揮した名方で、主な効能は清瘟解毒・宣肺瀉熱とされている。

連花清瘟カプセルにはチベット高原に生育する紅景天も含まれている。紅景天には免疫力を高める作用があり、インフルエンザ患者の体質を強化し、回復力を高める目的で用いられている。 

連花清瘟カプセルは2005年に中国衛生部が定めた『人禽流感診療方案』で治療推薦薬として記載されており、さらに2008年の四川省大地震の際にも中国国家中医薬管理局によって被災地での推薦感冒治療薬に指定されている。2009年には衛生部の『人感染甲型H1N1流感治療方案』にも治療推薦薬として記載された。

連花清瘟カプセルは実験でも様々な検証が行われている。これまでの研究では、広範囲スペクトラムの抗ウイルス活性を有し,体外研究ではH3N2型ウイルス(A香港型)でも明らかな抑制作用がみられた。

またインフルエンザウイルスFM1感染マウスに対して肺指数の増加と肺炎による死亡を減少させることができた。体外実験ではインフルエンザA3ウイルス、ヒトパラインフルエンザウイルス1型、RSV、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルスなどに抑制作用があることもわかった。特にインフルエンザウイルスと人パラインフルエンザウイルスに対しての抑制力が最も強かった。

また良好な抗菌消炎作用も確認されている。インフルエンザだけでなくSARSウイルスに対しても一定の抑制作用が確認されている。

 

個人的には、紅景天が入っていることが気になります。

 

 

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