日本の伝統医学のパースペクティブ

2023年3月24日  慶応大学医学部 吉野鉄大
「伝統医学と西洋医学の統合:日本のパースペクティブによるナラティブ・レビュー」
The Integration of Traditional Medicine with Conventional Biomedicine: A Narrative Review of the Japanese Perspective
Tetsuhiro Yoshino(吉野 鉄大) et al.
Journal of Integrative and Complementary Medicine
Published Online:24 Mar 2023
https://doi.org/10.1089/jicm.2022.0643


著者の慶応大学医学部の吉野 鉄大先生は、現在、新機軸の鍼灸臨床研究モデル確立に向けた新規パラメータの検証(コリ・マップ Cori-map)を研究されています。

本研究の目的は、鍼灸治療がターゲットとしている筋硬結の触診情報を3D画像解析技術を活用して体表面の等高線情報として定量化し、鍼灸治療前後の体表等高線の変化を鍼灸治療効果を定量評価するための新規パラメータとして確立する事である。


以下、2023年3月24日論文より引用。

病院で鍼治療が行われることは、教育病院であっても前述の高い償還ハードルのためにほとんど行われていないが、東北、広島、埼玉、東海、慶應義塾大学病院などの一部の大学病院では、学部に鍼灸師がいる。これらの病院は、健康保険でカバーされる 6 つの病気以外の疾患を持つ複雑な患者を治療する必要があることもあり、健康保険での鍼治療の提供を断念した。

日本の医療免許システムが漢方医師を認めることを拒否していることは、19世紀の明治時代の医療システムにさかのぼる。この明治政府の決定は、逆に日本の統合医療システムを開いた。

2002年から、不十分であるとはいえ、漢方教育がすべての医学部と薬学部で提供された。

付け加えると、医学部のメンバーに漢方を教えられる者はほとんどいないし、あまりに短期間すぎて教えるのは難しい。



明治維新以降、日本では漢方・鍼灸は差別され、抑圧されていました。明治維新以降、2002年まで日本の医学部・薬学部で漢方は教えられませんでした。2002年以降も、半年の期間で15回の授業で漢方医学を教えます。

日本は明治維新以降の近代化によって現在の国際的地位を築きました。しかし、明治維新以降の近代化が成功したからこそ、現在の日本の困難さがあると感じます。成功体験を捨てない限り、袋小路から脱することは難しそうです。

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