2020年3月20日CNN
『サプライチェーンの危機、食料や医薬品供給に影響の可能性』
客観的事実として、世界に食料はあり余っています。食品の大量廃棄、フード・ロスが問題になり、映画が何本もつくられたほどです。問題は配送システム、サプライ・チェーンにあります。
2020年3月25日ロイター通信
『新型コロナが物流寸断、世界の陸海空でモノが大渋滞』
国境封鎖のため、陸・海・空で物流が滞っています。アメリカは医療用マスクの95%を中国から輸入していました。医薬品も大量に輸入していました。
現在は、インターネット革命とグローバル化の進展により、世界中でオルタナ右翼が隆盛となり、トランプ政権を誕生させ、外国人排斥、移民排斥を主張していました。新型コロナウイルスによる各国の国境封鎖と渡航制限により、 ネオナチやオルタナ右翼にとっては夢のような時代が到来しました。
2020年3月25日『サイケイビズ』
『移動制限で農業壊滅的 外国人頼みあだ、春の収穫控え人手不足深刻』
アメリカやヨーロッパの農業で外国人労働者が入国できないため、収穫できずに農作物が畑で腐っていっているようです。日本も同じです。
2020年3月17日『時事通信』
『農業実習生、1000人来日できず 野菜の収穫・出荷に影響も―JA職員派遣へ』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020031701217&g=eco
中国、フィリピン、ヴェトナム、カンボジアから実習生が来日できずに、収穫に影響が出るかもしれないとのことです。
2020年3月25日 『沖縄タイムズ』
「 仏農相「仕事なければ畑作業を」 感染拡大、人手不足で呼び掛け 」
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/551271
以下、引用。
フランスのギヨーム農相は24日、新型コロナウイルスの感染拡大で農業経営者が外国人労働力を利用できず人手不足となっているとして、一時解雇などにより仕事がなくなった人々に畑を手伝いに向かうよう呼び掛けた。地元メディアが伝えた。
農業経営者団体によると、3~5月にかけ、約20万人の労働力が必要。団体トップは「19トンのアスパラガスを捨てた仲間がいる。最悪なのは収穫できずに畑に作物を放置することだ」と述べ、臨時の仕事として志願するよう求めた。
COVID-19と闘うために渡航制限や国境封鎖などの政策をおこない、 COVID-19と闘うのに不可欠なN95マスクなどのプロテクトギアが輸入できないために不足しています。
COVID-19と闘うために一斉休校を行い、子どもの世話をする看護師さんが休みをとらざるをえないためクリニックが休止したり院内感染で休止状態となっています。
COVID-19と闘うためにイベント自粛や外出制限をおこない、メンタルヘルスの既往歴のある患者さんが劇的に悪化したり、運動不足となり、イギリスでは医療従事者が新鮮な野菜や果物を手に入れられなくなりました。
すべては医療崩壊を防ぎ、みんなの健康を守るためです。
在庫を持たないジャスト・イン・タイム方式やグローバル化した サプライ・チェーンは脆弱であり、さらに世界各国の農業は廉価な外国人労働者に支えられているという事実があります。
医療崩壊を防ぐために社会的距離を政策として善意で採用した方々が、グローバル化によって超・複雑化しているサプライ・チェーンのことまで考慮して政策決定したとはどうしても思えないのです。
医療専門家の視野だけでなく、エビデンスに基づく政策決定のためには、複数の異なる視点からのマルチディシプリナリー学際的検討をしないと社会経済的大惨事を引き起こす可能性があると思います。
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