頸椎症について、中国のデータベースでは難病の「黄色靭帯骨化症」と「鍼灸」で検索するとゼロでした。「後縦靭帯骨化症」と「鍼灸」で検索しても、「頸椎症性脊髄症(CSM)」と「鍼灸」で検索してもゼロでした。「頸椎椎間板ヘルニア」と「鍼灸」で検索すると、さすがに大量の論文がヒットしました。確かに頸椎脊髄症、後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症は難病で鍼灸不適応疾患だと思いますが、あまりに気持ち良くゼロなのでビックリしました。
念のため、雑誌『中国鍼灸』で検索作業を続けました。「黄色靭帯骨化症」はゼロです。「後縦靭帯骨化症」は一本だけありましたが、アブストラクトも付いていないし、「穴位注射」では日本の鍼灸師の参考にはなりません。
针灸加穴位注射治疗颈椎后纵韧带骨化症17例
刘锦丽
《中国针灸》 2002年08期
次は「頸椎症性脊髄症(CSM)」を『中国鍼灸』で検索したら、推拿の論文のみ存在しました。鍼灸論文はありません。
中医推拿治疗脊髓型颈椎病
金家华
《中国针灸》 1995年S2期
整脊推拿治疗脊髓型颈椎病颈髓压迫症37例
佟帆 《中国针灸》 2005年S1期
わたしは以前から臨床的な実感として、「鍼はうつにはよく効くが、精神病の旧称・躁病には鬱ほど効かない。昔は双極性障害は躁鬱病と言われていたのに」と思っていました。以前から中国のデーターベースで鬱病と鍼灸の論文は多く読んでいます。世界的にも鍼灸と鬱の論文は大量にあります。
しかし、中国語データベースで躁病を意味する「躁狂症」「针灸」を検索してもゼロです。『中国鍼灸』『鍼刺研究』『上海鍼灸雑誌』を検索したら、結果はわずかに2本です。
电针与药物治疗躁狂症的临床对照分析
张茂海
《中国针灸》 1995年S2期
醒脑开窍针法加鬼穴治疗一氧化碳中毒致躁狂症1例
陈琳 李澎
《上海针灸杂志》 2012年10期
2012年上海論文は一酸化炭素中毒の後遺症の一例報告なので、明らかに躁病(双極性障害)ではないし、1995年の精神病院内での電気鍼のみという結果でした。この「鍼灸不適応疾患か鍼灸適応疾患か」は微妙な問題ですが、中国のデータベースでこれからも論文の数を定量的に調べるのは面白いと感じました。
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