以下、引用。
なぜ体の動きには痛みを紛らわせる効果があるのでしょうか。ドイツのハイデルベルク大学で行われたマウス実験で、運動による痛みの緩和にはマウス脳の運動野から伸びる2本の神経回路が重要な役割を果たしていることが明らかになりました。1本目は運動野の深い部分(第5層)から脊髄を介して痛みの知覚に影響を与える神経回路で、この回路が活性化するとマウスは痛みの感覚を過度に感じる過敏症が抑制されました。2本目は運動野の最下層(第6層)から感情を処理する領域を介して報酬系につながっている神経回路でした。研究では、この2本目の回路を活性化した場合に、マウスが痛みを感じたときにみせる行動が減少しており、痛みそのものの緩和が起きている可能性が示されました。また、今回の研究結果を運動野を電気や磁気で刺激する治療法にフィードバックすることで刺激する部位の絞り込みや最適化を行うこともことも可能になるでしょう。
2022年12月22日ハイデルベルク大学『サイエンス』
「一次運動野に由来するレイヤー特有の疼痛緩和パスウェイ」
Layer-specific pain relief pathways originating from primary motor cortex
ZHENG GAN et al.
Science Vol 378, Issue 6626 pp. 1336-1343
「運動野を電気や磁気で刺激する治療法にフィードバックすることで、刺激する部位の絞り込みや最適化を行うこともことも可能になるでしょう」という箇所において、焦氏頭皮鍼はまさに体表に投影された運動野の部分を鍼で刺激していました。
一次運動野や脊髄神経の刺激によって疼痛が緩和されるメカニズムは、まだ不明の部分が多いです。
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