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『スタニスラフスキーとヨーガ』 

 

 

スタニスラフスキーとヨーガ
セルゲイ チェルカッスキー 未来社 (2015/8/6)

 

サンクトペテルブルク大学国立演劇アカデミー教授のセルゲイ・チェルカッスキー先生が2015年に書かれた『スタニスラフスキーとヨーガ』の翻訳です。まさに私が長年求めていた情報が書かれていて本当に感動しました。

 

旧ソ連のスタニスラフスキーの創りだした演技の方法論、スタニスラフスキーシステムは、もはや演技の世界の常識となっています。ロバート・デニーロなどのハリウッド俳優が『ゴッドファーザー』に出演するためにシチリア島に住んだり、『‪タクシードライバー‬』に出演するために実際にタクシードライバーとして働いたり、その人になりきるという演技の方法論です。そのために女優さんたちは共演者と実際に恋愛関係になることもあります。

 

このスタニスラフスキー・システムの根底にヨーガのプラーナ・コントロールがあることは知っていました。しかし、どのような経緯でソ連のスタニスラフスキーがそのようなシステムを開発したのかは誰も知らなかったのです。

 

集中力の重視、呼吸法、筋肉のリラックスとコントロールなど、スタニスラフスキーはヨーガの方法論から演技の方法論をつくりだしたのです。しかし、ソビエト政府は検閲によってヨーガや神秘主義の要素を消し去りました。スタニスラフスキーはチャクラやプラーナにさえ言及していたのですが、それらの研究はソ連崩壊後にようやく始まりました。

 

1911年、サンクトペテルブルクのロシア皇帝の侍医、チベット伝統医学のバドマエフ家のブリャート学校でチベット伝統医学を研究していたデミトフから、スタニスラフスキーはヨーガのシステムを聞きました。バドマエフ家の侍医ピョートル・バドマエフは皇帝のニコライ2世やアレクサンドラ皇后を治療していました。

以下、引用。

学生たちが舞台上で動物や植物や物体、石にさえなるレッスンが日常茶飯事となった今日、スタニスラフスキーが東洋の世界観の影響を受けて第1研究所で行っていた俳優トレーニングの方法がいかに大きな革命的な意義をもっていたか気づくことさえ稀になってしまった。

 

 

 

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