柯尚志先生の遠絡医学

2016年8月「筋筋膜性疼痛ゆらいの慢性肩痛の代替補完医療の比較:遠絡療法VS局所エリアの経絡に関連した治療」
Comparing complementary alternative treatment for chronic shoulder pain of myofascial origin
Collateral meridian therapy versus local tender area-related meridians therapy
Shan-Chi Ko, MD(柯尚志)et al.
Medicine (Baltimore). 2016 Aug;95(35):e4634. doi: 10.1097/MD.0000000000004634.

以下、引用。

遠絡療法(CMT:Collateral Meridian Therapy)は筋筋膜性疼痛由来の慢性肩痛の減少において局所の経絡にもとづく治療よりも有効であり、4週間後でも機能回復には有効であった。

遠絡療法は最近、中国伝統医学から派生したテクニックであるが、中国伝統鍼灸とはかなり異なっている。例えば遠絡療法は健康な経絡のCポイントとFポイントの2点を操作することを含み、離れた関連経絡を遠隔治療する。そして、バランスをとり、気を増減させたり調節することで痛みを緩和する。

遠絡療法の重要な特徴は、常に病気の局所から離れた場所の離れたツボを用いることであり、局所の直接的な鍼や指圧よりも有効である。以前、私たちは遠絡療法で局所麻酔による腰痛や腹腔鏡後の筋筋膜性疼痛を治療することを示した。最近の研究では、局所治療よりも遠絡療法が有効であることを証明している。

日本の鹿児島大学医学部出身の故・柯尚志先生の遠絡療法は言語が日本語、中国語、英語にまたがるので調査と資料収集が大変でした。2010年には『医道の日本社』からDVDが発売されたり、2007年には『医道の日本』に論文を発表されているのに、2016年に突然、逝去されたため、あまり知られていない治療法です。

私も2例の右腰痛を‘LTxI1:4’、つまり左の肺経の列欠と尺沢下2横指の治療ポイントで治療しただけで、「効く」のは経験しましたがあまり理解できていません。

右肩痛の場合は、五十肩なら左蠡溝(LR5)あたりと左中封(LR4)あたりが治療点になります。野球肩なら右陽池(TE4)あたりが治療点となります。

遠絡醫學18處治療點(肩痛は2分11秒あたり)

故・柯尚志先生の遠絡療法について語りにくいのは2009年に特許をとられていることです。特許権は故人の相続人の方がいらっしゃれば特許権は相続されているはずですが、そのあたりがわからないです。

人体の刺激点を決定する方法、システム、およびモジュール
https://astamuse.com/ja/published/JP/No/2009072579
【公開番号】特開2009-72579(P2009-72579A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願番号】特願2008-217058(P2008-217058)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(508258426)

台湾の故ドクター・タン(Dr. Tan)こと、リチャード・タン、故・譚特夫先生も台湾で育ち、工学の学士号を取得し、1977年にアメリカに留学して、1985年にサンディエゴでシステムエンジニアとなり、1989年にカルフォルニアで鍼師の資格を取得し、「ドクター・タンの鍼」 「譚氏天應穴平衡針法(譚針)」を開発されたそうです。

1994年に“Twenty-Four More in Acupuncture: Unique Point Applications and Case Studies for Effective Pain Treatment”Richard Teh-Fu Tanを出版。1996年に“Shower of Jewels : Feng Shui: An Amusing Yet Practical Guide to Ancient Principles of Placement and Geoenergy Manipulation”Richard Teh-Fu Tan、2003年に“Dr. Tan’s Strategy of Twelve Magical Points” LAc. Richard Teh-Fu Tan O.M.D.を出版。2007年に “Acupuncture 1, 2, 3 (157 pages)” Richard Teh-Fu Tanを出版となっています。

柯尚志先生は1981年に 鹿児島大学医学部卒業。1995年に上海中薬大学に留学し、2001年に最初の症例発表。2002年に遠絡療法(遠道相應穴位經絡療法)という歴史となります。譚特夫先生のドクター・タンの鍼と柯尚志先生の遠絡療法は似ている部分もあり、現在、研究中です。

【柯尚志先生の遠絡療法の年譜】
柯尚志(こうしょうし1948-2016)
1981年鹿児島大学医学部卒業
1995年上海留学
2001年上海針灸雜誌(TCM)發表的Case Report:A Discussion on Experience in Treatment of Cervical Spondylopathy by Distant Point Pressing
2002年2月
「柯尚志」醫師於2002年2月在日本東京主講一場「疼痛治療之改革」的醫學研討會,公開發表的一種創新疼痛治療方法New Dimension in Pain Therapy (Enrac Therapy)—Distant Point Immediate-Effect Press Therapy. 即「遠道相應穴位經絡療法」,
ペレス・銀座クリニック開業
第1回遠絡療法セミナー開催
日本ENRAC医学会設立
2003年12月『消痛革命―驚異の実力初公開』  原水文化出版社

2004年 中華民國疼痛醫學會演講及論文海報摘要:「遠絡療法」亦即「遠道相應穴位經絡治療法」(Collateral Meridian Therapy)

2005年
柯尚志
中華民國疼痛醫學會學術研討會論文集(Advances in Management of Intractable Pain 頑固性疼痛處理新進展 ):遠絡療法

2005年
柯尚志
中華民國骨科醫學會第49次聯合學術研討會論文摘要:
New advance of Orthopedic treatment in Enrac therapy(遠絡療法與骨科醫療的新發展)

2006年
柯尚志
Can we do better, in addition to the pharmacological treatment, on pain: collateral meridian therapy.
Wong CS, et al. Acta Anaesthesiol Taiwan. 2006.
Wong CS, Kuo CP, Ko SC.
Acta Anaesthesiol Taiwan. 2006 Jun;44(2):59-60.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16845910/

2007年
足関節捻挫と遠絡療法 (特集 足関節捻挫と鍼灸治療)
柯 尚志
医道の日本 = The Japanese journal of acupuncture & manual therapies 66(5), 31-37,

2007
遠絡療法による複合性局所疼痛症候群患者の劇的な痛みの軽減と機能的な動きの改善
Collateral meridian therapy dramatically attenuates pain and improves functional activity of a patient with complex regional pain syndrome
WONG Cs , KUO Cp , FAN Ym , KO Sc
ANESTHESIA AND ANALGESIA
104 号452 2007年

「遠絡療法が奏効した難治性Failed back surgery syndromeの1症例」
金井昭文 (北里大 医 麻酔科) , 外須美夫
資料名: 日本ペインクリニック学会誌 (Journal of Japan Society of Pain Clinicians)巻: 14 号: 3 ページ: 361 発行年: 2007年06月25日
https://www.jstage.jst.go.jp/…/15/2/15_08-0001/_pdf/-char/ja
(PDFファイル有り)

2008年デューク大学で講義

2010年
遠絡療法基礎編―肩・肘・腰・膝・踵の痛みをとる治療ポイント医道の日本社

2011年
柯尚志 『病院で治らなかった痛みとしびれの処方箋』(幻冬社ルネッサンス)

高濃度ビタミンC点滴療法と遠絡療法の併用により化学療法の副作用の軽減と治癒効果の増強をみたS状結腸癌,肝臓転移の一症例
中川原三和子 (まごころ医療館) , 比企亮介 (仁風会 比企病院) , 柯尚志 (日本遠絡医学会)
国際統合医学会誌 (International Journal of Integrative Medicine) 巻: 3 号: 1 ページ: 136-140 発行年: 2011年03月04日

2012年
Overview of Collateral Meridian Therapy in Pain Management: A Modified Formulated Chinese Acupuncture

2013年
遠絡療法による口腔および顔面痛の治療
柯 尚志
日本歯科東洋医学会誌 32(1), 36, 2013-08-31

東洋医学的治療(遠絡療法・鍼治療)が奏効した難治性上肢痛の1症例
小畑勝義 (飯塚病院 麻酔科)
日本ペインクリニック学会誌 (Journal of Japan Society of Pain Clinicians) 巻: 20 号: 3 ページ: 404 発行年: 2013年06月25

2016年逝去

2017年
鍼治療およびツボ刺激療法(遠絡療法)によって下肢疼痛および脱力感を改善し得た腰部脊柱管狭窄症の2症例
高橋秀則 (帝京平成大 ヒューマンケア) , 高橋秀則 (袖ヶ浦さつき台病院 麻酔科)
資料名: 日本慢性とう痛学会プログラム・抄録集 (日本慢性疼痛学会プログラム・抄録集)
巻: 46th ページ: 128 発行年: 2017年

2018年
経穴刺激療法(遠絡療法)が有用であったCRPSの2症例
著者(2件): 高橋秀則 (袖ヶ浦さつき台病院 麻酔科) , 高橋秀則 (帝京平成大 ヒューマンケア)
資料名: 日本慢性疼痛学会プログラム・抄録集 (日本慢性とう痛学会プログラム・抄録集)
巻: 47th ページ: 136 発行年: 2018年

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