情志病の経絡学基礎:奇経病2 衝脈

2006年「情志病の経絡学基礎」
情志病的经络学基础
张建斌 王玲玲
《辽宁中医杂志》 2006年05期
http://www.cnki.com.cn/Article/CJFDTOTAL-LZXB201505069.htm
(オープンアクセスPDFファイルあり)

『霊枢・海論篇第33』に衝脈イコール別名、血海の病が描かれています。

血海(である衝脈)が有余なら、すなわちその身が大なることをおもい、ウツウツとして何の病気かわからないように思い、血海(である衝脈が)不足すれば、すなわちその身が小なることをおもい、やはりどのような病気かわからない状態となる。

血海有余,则常想其身大,怫然不知其所病;血海不足,亦常想其身小,狭然不知其所病。
《黄帝内经·灵枢》海论第三十三
http://www.zysj.com.cn/lilunsh…/huangdilingshu/101-3-33.html

以下、引用。

『素問・骨空論篇』に衝脈は気街におこり、足少陰経にあわせて臍をはさんで上行し、胸中にいたって散じる。衝脈の病では逆気して裏急(=便意急迫的表现)する。衝脈にそった表現は奔豚気の臨床表現と一致する。

《黄帝内经·素问》骨空论篇第六十
http://www.zysj.com.cn/lilunshuji/huangdisuwen/100-3-60.html

以下、引用。

『脈経・平奇経八脈病・第四』の記載では「衝脈動ずれば、少腹痛に苦しみ、上に心に撞き、 瘕疝あり、脇支満煩なり」と心身症の表現がある。

《脉经》平奇经八脉病
http://zhongyibaodian.com/archives/3770.html

瘕疝(かせん)とは腹中の気の鬱結だそうです。瘕(か)は『素問・大奇論篇第四十八』に初出しています。

清代、 沈金鳌著『雑病源流犀燭』 巻十四、 积聚癥瘕痃癖痞源流に「瘕は血が成形する」と詳細に論じられています。

https://ctext.org/wiki.pl?if=gb&chapter=541426&remap=gb

『素問・骨空論篇』に「任脈の病では男子は内結して七疝、女子は帯下瘕聚する」、『難経・二十九難』に「任脈の病では男子は内結して七疝、女子は瘕聚する」と瘕聚(かしゅう)は重要です。瘕聚の「聚」は気分病で場所が一定せず、「瘕」は血分病になります。腹中の瘀血です。

「疝」は2つの意味があり、1つ目の意味はヘルニアのような突出した症状です。2つ目の意味は、生殖器の疼痛や潰瘍です。

個人的には、衝脈病に対して、もちろん公孫なども使いますが、督脈任脈の通陽法を用います。

2017年「(葉天士)『臨牀指南医案』の痿証の成因と奇経診療治療」
《临证指南医案》论痿证之成因与奇脉诊治
欧阳八四 葛惠男
《中国中医药信息杂志》 2017年05期
http://www.cnki.com.cn/Article/CJFDTOTAL-XXYY201705024.htm

これは、葉天士先生の考え方で、慢性病には任脈督脈を宣通・温通します。奇経八脈の病気は通陽して通じさせるのがポイントです。葉天士先生は「衝脈・任脈が虚寒で痿証になったものは通陽摂陰する」と述べて、「太陽経と督脈の温通」を治則としています。

葉天士先生の『臨床指南医案』虚労では、「衝気が肋を貫き咽にあがり、形体はゆっくりと涸れるのは、これは虚労が肝腎を傷つけたものであり、精気が生まれないためである。厥気は耳に上逆している。通陽摂陰をもって治療する」という症例があり、まさに衝脈病の奔豚気を通陽で治療しています。衝脈病の奔豚気には任脈督脈を宣通・温通するのが1つの方法だと思われます。

http://www.zysj.com.cn/lilu…/linzhengzhinanyian/602-4-5.html

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする