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気血水と鍼とグリンパティック・システム

 

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2020年ナンナ・ゴールドマンとマイケン・ネダーガード
『メディカル・アキュパンクチャー』
「グリンパティック・システムと疼痛」
The Glymphatic System and Pain
Nanna Goldman, Lauren M. Hablitz, Yuki Mori, and Maiken Nedergaard
Med Acupunct. 2020 Dec 1;32(6):373-376.
Published Online:16 Dec 2020
https://www.liebertpub.com/doi/10.1089/acu.2020.1489
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7755843/

 

「脳のリンパ」と言われるグリンパティック・システムと鍼鎮痛に関する最初の論文だと思います。

グリンパティック・システムの発見者、マイケン・ネダーガードの研究によれば、夜に眠っているときにグリンパティック・システムは脳の掃除をします。脳の炎症を取り、アルツハイマー病と関連するアミロイドベータの蓄積を防ぎ、アストロサイトと関連します。

以下、引用。

脳のホメオスタシスとクリーニングの新しい理解を慢性神経因性疼痛の発生に関する従来の見解と組み合わせて提示し、慢性神経因性疼痛への新しいアプローチとして、おそらく鍼治療を介して、痛みの複数の側面を治療するというアイデアを提案する。
現在は、痛みがグリンパティック・ システムを抑制している可能性があることを示唆している。慢性神経因性疼痛にしばしば伴う睡眠障害は、脳の機能不全を引き起こす。さらに、痛みは脳のホメオスタシスに悪影響を及ぼし、システムを興奮と炎症に傾ける。
現在の著者は、鍼治療が複数のメカニズムによってアドレナリン作動性緊張を低下させ、リンパ球のクリアランスを加速し、それによって神経炎症の重症度と痛みの感覚を低下させると推測している。

 

 

ATPの研究者、マイケン・ネダーガードは、2013年に脳からの老廃物を排出する「リンパ系」と翻訳されるグリンパティック・システムを発見しました。

この脳からの排出経路はリンパ系とグリア細胞を組み合わせてグリンパティック・システムとマイケン・ネダーガードに名づけられ、大発見として世界的に報道されました。これはグリア細胞依存の水排出システムです。

「グリンパティック・システムと鍼鎮痛」論文の共著者、ナンナ・ゴールドマンと ロチェスター大学の神経科学者、マイケン・ネダーガードが『ネーチャー・ニューロサイエンス』に歴史的な鍼の研究を発表しました。鍼は神経を刺激するのではなく、皮膚・皮下組織・結合組織を歪ませることでケラチノサイトからATPが放出されて、P2X3受容体を介して鎮痛作用を発現するというのです。 ATPが鍼の鎮痛に重要な役割を果たすことが判明しました。皮膚・皮下・結合組織の歪みと引っ張りが鎮痛を引き起こします。

2010年「アデノシンA1受容体を介した局所の鍼の抗侵害受容的効果」
Adenosine A1 receptors mediate local anti-nociceptive effects of acupuncture
Nanna Goldman,Maiken Nedergaard. et al.
Nature Neuroscience 13, 883–888 (2010)

 

 

 

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