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TRPV1受容体と鍼研究の歴史

 
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2011年カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部
「鍼治療ポイントにおけるTRPV1発現:電気鍼療法刺激への反応」
TRPV1 Expression in Acupuncture Points: Response to Electroacupuncture Stimulation
Therese S. Abraham, Ph.D et al.
J Chem Neuroanat. 2011 Apr; 41(3): 129–136.
Published online 2011 Jan 20.
 
 
これはTRPV1受容体を皮膚の表皮・真皮・皮下組織などを免疫抗体で蛍光発色させたものです。論文中には、電気鍼をかけたあとの蛍光発色の顕微鏡写真もあります。
 
個人的な疑問として、ポリモーダル受容器とTRPV1のようなTRPチャネル、あるいはP2X受容体のようなプリン受容体の関係があります。
 
 
学説史としては、1969年エドワード・ロイ・パール教授によるポリモーダル受容器の仮説の提唱がありました。
 
 
1969年エドワード・ロイ・パール
Response of cutaneous sensory units with unmyelinated fibers to noxious stimuli. Bessou P, Perl ER.
J Neurophysiol. 1969 Nov;32(6):1025-43
 
 
エドワード・ロイ・パール先生のもとで、日本の熊沢孝朗先生が学ばれます。
 
熊沢先生は、鍼麻酔の機序に関する作業仮説を発展させた「ポリモーダル受容器仮説」を提唱します。
 
 
1983年「熊澤孝郎教授に聞くーポリモーダル受容器を中心にした鍼鎮痛について」
熊澤孝郎、東医とペイン編集委員会
『東洋医学とペインクリニック』VOL13No4(1983.10)168-
 
 
1984年「熊澤孝郎教授に聞くーポリモーダル受容器を中心にした鍼鎮痛について」
熊澤孝郎、東医とペイン編集委員会
『東洋医学とペインクリニック』VOL14No1(1984.1)24-
 1993年から2000年に川喜田健司先生が『医道の日本』などに書かれています。
 
 
1993年
「鍼灸刺激のポリモーダル受容器仮説について(1)」
川喜田健司
『医道の日本』584号、平成5年4月号(1993)10-17
 
 
1993年
「鍼灸刺激のポリモーダル受容器仮説について(2)」
川喜田健司
『医道の日本』585号、平成5年5月号(1993)8-15
 
 
2000年 川喜田健司
「侵害刺激としての鍼灸ーポリモーダル受容器仮説」
『鍼灸臨床の科学』
 
 
2011年
「鍼灸刺激の受容器(経穴)の有力候補ポリモーダル受容器について」
水村 和枝
『日本東洋医学雑誌』2011 年 62 巻 2 号 p. 196-205
 
経穴というのは、ある特定な場所にあるということになっています。確か経穴部には神経線維がたくさんあるのではないかという、そういう解剖学的な探索も行われているかとは思いますが、ポリモーダル受容器がそういう経穴部位に多いかどうかはまだわかっていないわけです。実際、ポリモーダル受容器の終末というのは光学顕微鏡では見えないわけで、まだ形態学的に同定されたものは私たちがやったものでたった1個しかなくて、それを普遍化するのはちょっとどうかと思います。
 
 
1990年
「in vitro睾丸─上精巣神経標本で調べたプラジキニン同族体に対するポリモーダル受容器の反応」
水村 和枝, 皆川 宗徳, 辻井 洋一郎, 熊澤 孝朗
『PAIN RESEARCH』1990年 5 巻 1 号 9-15
 
 
 
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