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『BMJ』のコロナ後遺症論文とツボ指圧

 

2021年7月26日『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』

「ロング・コビット後遺症ーメカニズム、リスクファクター、マネージメント」
Long covid—mechanisms, risk factors, and management
BMJ 2021; 374
(Published 26 July 2021)
 
 
以下、引用。
 
【ロング・コビット後遺症の治療とマネージメント】
【ガイドライン】
《呼吸器症状》
緩和リハビリはストレッチングと身体の回転運動と、ツボ指圧とマッサージを含み、小規模試験でマイルドなコビット患者のロング・コビット後遺症の呼吸器症状に効果があった。
 
 
参考文献は以下です。
 
2020年
「マイルドなコビット19症例への緩和リハビリ・エクササイズ」
Modified rehabilitation exercises for mild cases of COVID-19
Lulu Zha et al.
Annals of palliative medicine
Vol 9, No 5 (September 2020)
 
 
ツボの位置
(A)雲門(B)少商(C)魚際(D)列欠
 
 
 
 
以下は『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』から引用。
 
【症状】《倦怠感》
「考えられるメカニズム」
ウイルス感染後の慢性疲労は炎症反応経路のミスコミュニケーションの結果である可能性がある。
 
COVID19パンデミックに伴うネガティブな精神医学、社会的因子は、慢性疲労と関連している。
 
骨格筋の直接SARS-CoV-2感染などの末梢因子は、筋線維および神経筋接合部の損傷、衰弱、および炎症を引き起こし、倦怠感に寄与する可能性がある。全体として、いくつかの要因とメカニズムがcovid-19後の倦怠感の発症に関与している可能性がある。
 
COVID-19後の倦怠感は、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME / CFS)と比較されており、2つの間に多くの重複がある。筋痛性脊髄炎/慢性疲労症候群とロングコビッドの両方に共通する症状には、倦怠感、神経学的痛み、神経認知症状、精神医学症状、神経内分泌、自律神経、免疫症状が含まれ、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群とCOVID患者の両方が症状の持続期間が長く、毎日の活動が低下し、 運動性の倦怠感が共通している。筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群は謎のままであるため、ロング・コビットの研究は筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の理解を深めるのに役立つ可能性がある。
 
【認知とメンタルヘルス】
covid-19の患者の認知機能を調査し、ウイルスが敗血症性脳症、低血圧、低酸素症、血管血栓症などの非免疫学的影響、および適応自己免疫、ミクログリア活性化などの免疫学的影響を引き起こす可能性があることを示唆している。
 
 
ミクログリア細胞の活性化や神経炎症は、まさに鍼の経路です。
 
以下、引用。
 
パンデミックは精神的健康に悪影響を及ぼしており、covid-19を患っている人々は心的外傷後ストレス障害(PTSD)、うつ病、不安、および急性感染からの回復後の強迫性症状を含む長期の精神症状を示している。
 
 
ロング・コビット後遺症の最新情報を研究すればするほど、患者さんやその家族はなんとか鍼灸にたどり着いてほしいとシミジミ思います。中国で、SARSの後遺症やSARS治療のステロイド後遺症に対して鍼灸と漢方が使われた事実はもっと知られた方が良いと感じます。自分にできることは、ロング・コビット後遺症の最新情報をアップデートして準備するだけです。
 
ちなみに日本語では「新型コロナウイルス感染症 診療の手引き2021」の22ページに「7.症状の遷延(いわゆる後遺症)」に記述がありますが、ぜひ『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』と比較していただきたいです。
 
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