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ギランバレー症候群

2022年1月2日
「免疫チェックポイント阻害薬使用後のギランバレー症候群への鍼治療:症例報告」
Acupuncture Treatment of Guillain–Barré Syndrome After Using Immune Checkpoint Inhibitors: A Case Report
Jialing Li et al.
Front Neurol. 2022; 13: 908282.
Published online 2022 Jun 2.
https://www.frontiersin.org/…/10.3389/fneur.2022.908282/full

 

63歳男性で血痰があり、肺悪性腫瘍(腺癌)により免疫チェックポイント阻害薬、チスレリズマブを使用した患者さんです。

免疫チェックポイント阻害薬とは、京都大学の医師、本庶佑先生が2006年に開発した新世代免疫療法、オプジーボが代表的で、2013年の『サイエンス』で「ブレークスル・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、2018年ノーベル医学賞の受賞となりました。

 

以下、引用。

63歳の高齢男性が免疫チェックポイント阻害薬(ICI)療法と抗ガン化学療法を悪性肺腫瘍のために受けた。

2コースの後、患者は四肢の脱力と麻痺を感じて、四肢末端の痛みを感じた。

脳脊髄液のアブブミン解離および筋電図により脱髄が示唆され、ギランバレー症候群(GBS)と診断された。

患者はガンマグロブリン静脈注入を受けて四肢の脱力は緩和されたが、まだ麻痺と四肢末端のシビレが残っていた。

4回の鍼治療の後、患者は四肢の麻痺と疲労は顕著に改善された。

この症例は免疫チェックポイント阻害薬によるギラン・バレー症候群の補完代替療法を提供するものではあるが、その効果をサポートする堅固なエビデンスが必要であろう。

免疫チェックポイント阻害薬療法の副作用としてギラン・バレー症候群があります。

フランスの神経科医、ジョルジュ・ギランが第1次世界大戦に従軍中にフランス人神経科医、バレーと2人の兵士の症例から報告し、その際に脊髄液のアルブミン上昇も報告しています。

インフルエンザ予防接種の副作用を説明した添付書類にも書いてありますし、新型コロナウイルス・ワクチン予防接種でも報告されています。
カンピロバクターウイルスやEBウイルス、インフルエンザウイルスなどの感染後、抗体が神経炎症を起こし、四肢麻痺や呼吸不全を起こすことがあります。
 
イメージしにくい病気のため、漫画家のたむら・あやこさんが書いた闘病漫画『ふんばれ、がんばれ、ギランバレー!』を読むことをお勧めしています。

 

 

 

 

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