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【運気論】癸卯 三の気

 
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宋代の医書『聖済総録』癸卯歳図です。
 
2023年は癸卯(みずのと・う)で、陽明燥金司天・少陰君火在泉、火運不及となります。
 
宋代、『聖済総録』癸卯歳図
三之氣,自小滿日申初,至大暑日午初,凡六十日有奇,主位少徵火,客氣陽明金,中見火運,金居火位,天政布,涼乃行,燥熱交合,燥極而澤,民病寒熱,宜治陽明之客,以酸補之,以辛瀉之,以苦泄之。
 
今年2023年、十干の癸の五運は「火運不及」です。今年の夏は涼しくなる可能性があります。
 
また、六気は陽明燥金司天です。今年の前半は涼しくなる可能性があります。
 
2023年5月21日の二十四節気「小満」からの2カ月間は「三の気」です。
「三の気」である5月末から7月末は「少陽相火」が主気であり、今年の十二支である卯年の三の気は陽明燥金の涼燥の気が客気です。
 
まず、三の気の主気である少陽相火は少陽三焦と関連しています。三焦を通じさせるのが原則になります。
5月末から7月末は暑くなり、上焦から汗が出ます。
三焦」は内は臓腑につながり、外は腠理(=西洋医学の汗腺)につながっています。春は川に雪解け水が溢れるように、経脈という河にも気が溢れます。夏はさらに気が上昇し、気は孫絡や肌肉にあります。腠理は開き、汗が出ます。
 
少陽三焦は、上焦から汗で水を出し、下焦から尿で水を出し、中焦の脾胃は消化機能で水の運化と関係しています。少陽三焦が通じて水が流通していれば、手厥陰心包も順調となります。
 
ところが今年は火運不及で、少し涼しいです。腠理が閉じがちでうまく開閉できず、上焦の水はけが悪くなっています。鼻水や咳など上焦の詰まりがある人は苦しそうです。
 
 
宋代の医書『聖済総録』では、「(癸卯年の三の気の気象は客気である陽明燥金の)涼燥の気がすなわち行(めぐ)り、燥と熱が交合して交互に混じり、涼燥が極まれば反って潤沢となり(雨が降り)、民は寒熱を病む」と気象と病気を予測しています。
 
「民は寒熱を病む」は、二つの意味があると思います。
 
一つは外邪としての「悪寒発熱(体表がゾクゾクとして悪寒し、発熱する)」であり、もう一つは自律神経失調症の人が「カーっとノボセて熱感を感じる。あるいは身体にゾクゾクと冷えを感じる」です。どちらかといえば、自律神経失調症や、痰湿がたまって心陽不振によるうつなどの精神症状も予測できます。
 
 
わたし自身も心陽不振や三焦の痰湿があり、肺気の宣発が悪くなり、鼻づまりや咳がでてきています。できるだけ発汗を心掛け、さらに心陽を助けるため、心兪やだん中の温灸を養生にしようかと考えています。
 
 
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