7月20日、大阪生涯学習センター第1研修室において、金本貴行先生をお迎えして関西中医鍼灸研究会特別講座「眼疾患の弁証論治と鍼灸治療 ~現代中医学の視点から眼疾患をどう捉え治療しているか」が開催されました。
金本貴行先生は映画俳優のようなイケメンでした。参加されなかった先生方は眼福を逃しました!
『鍼灸OSAKA102号 加齢性眼科疾患』では「加齢性眼科疾患」が特集されています。
緑内障、黄斑変性などの加齢性眼科疾患に関しては、これを一冊読めば眼科鍼灸の基礎が出来るようにつくりこまれていると感じました。特に8ページから29ページの対談「高齢者の眼科疾患と鍼灸治療」が役に立ちます。
私も眼科鍼灸は全くの初心者で、金本先生の講演を前にこの分野を勉強してきましたが、眼科鍼灸はかなり有望で面白い分野であると思います。なによりも「全身状態を改善すること」は、中国伝統医学の鍼灸の特徴が最も活用できる分野だと感じました。
高齢化社会において、今後は加齢性眼科疾患が激増することが予測されます。東洋医学的な全身治療の需要は確実にあり、しかも加齢性眼科疾患の患者さんは全身状態の長期的な改善を目指して定期的に来院される可能性が高いです。
ただ、現実にそのような患者さんが来院された時に対応できるかという問題があります。加齢性眼科疾患の経験豊富な鍼灸師の先生の講義を聞ける機会は少ないので楽しみにしていました。
講義内容はものすごく分かりやすく、黄斑変性、網膜色素変性症、糖尿病性網膜症、緑内障の鍼灸治療による具体的症例と西洋医学的な数値の変化で鍼灸治療の効果を実感できました。特に、ある治療穴を入れた後の数値の変化が印象的でした。長期的な全身治療が最も活かせる分野という印象がさらに強くなりました。
以下は講義中で少しだけ触れられ、懇親会で話題になった「緑内障性格」です。存在さえ知りませんでしたので勉強になりました。
「緑内障性格調査」
馬場 裕行
『臨床眼科 44巻5号』pp.641-645 1989年10月
以下、引用。
緑内障ではこだわり、悲観、怒りが病期の進行とともに増加した。
西洋医師も鍼灸師も、臨床家は全員が「この病気の人はこの性格の傾向が強いな」と口には出さないけれども感じているのではないでしょうか。おそらく仲間内で口伝になっていると思います。すごく楽しく、勉強になった講演会でした。
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