2013年『エビデンス・ベースド・コンプリメンタリー・アンド・オルタナティブメディスン』
「アレルギー性鼻炎に関連した鍼の抗炎症効果:ナラティブ・レビューと提案モデル」
The Anti-Inflammatory Effects of Acupuncture and Their Relevance to Allergic Rhinitis: A Narrative Review and Proposed Model
John L. McDonald et al.
Evid Based Complement Alternat Med. 2013; 2013: 591796.
Published online 2013 Feb 14. doi: 10.1155/2013/591796
オーストラリア・グリフィス大学のジョン・マクドナルド先生によるアレルギー性鼻炎の鍼治療効果のメカニズムに関する仮説モデルの提案です。
以下、引用。
最近の研究では、交感神経と副交感神経を介した鍼の抗炎症効果を支えるメカニズムが実験されている。
視床下部ー副腎(HPA)枢軸は鍼の抗・浮腫作用が報告されているが、炎症における抗アレルギー性用は報告されていない。
他の論文では、鍼の抗ヒスタミン作用と炎症サイトカイン(腫瘍壊死因子TNFα、インターロイキン1ベータ、インターロイキン6、インターロイキン10)やニューロペプチド(サブスタンスP、カルシトニン遺伝子関連ペプチドCGRP、血管作動性腸間ペプチドVIP)とニューロトロフィン(神経成長因子NGF、脳由来神経成長因子BDNF)のような炎症反応を強化するものを含む鍼の抗炎症反応が報告されている。
鍼は炎症を起こす実験においてシクロオキシゲナーゼ1(COX1)、シクロオキシゲナーゼ2(COX2)や一酸化窒素合成酵素(iNOS)の発言を抑制すると報告されている。TRPV1の発現や過敏化によるダウンレギュレーション下行性調節が鍼で報告されている。
このサマリーでは、神経ー内分泌ー免疫ネットワークのアクションの複合が鍼の抗炎症の効果を及ぼしている可能性を研究する。多くの全体的な鍼の抗炎症効果がアレルギー性鼻炎に直接関連しているが、鍼がアレルギー性鼻炎にどのような免疫調節を行っているかを探求するより多くの研究が必要であり、この研究では最後に以降の研究のガイドとなる仮説モデルを提示する。
この論文はアレルギー性鼻炎の鍼治療のメカニズムを理解する基礎となります。
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