2019年4月6日
「線維筋痛症、鍼のケアは無料です」
Fibromialgia, richiesta la gratuità delle cure con agopuntura
エミリア=ロマーニャ州の州都ボローニャのニュースです。イタリアは医師が医大を卒業したあとに卒後教育を受け、イタリア鍼協会連盟FISAからイタリア鍼灸証明書を得た医師だけが鍼をすることができます。122の国立慢性疼痛センターが国民健康保険を適応できる療法として鍼治療を行っています。
イタリアは地域によって保険制度がまったく違います。トリノのあるピエモンテ州は鍼の保険はチケット制です。
ボローニャのあるエミリア=ロマーニャ州は、2014年から最大限に鍼に支払いを認める保険制度を採用しています。片頭痛や筋骨格系疾患にも支払いを認めています。
2014年「鍼が地域保健健康サービスに参入する」
L’agopuntura entra nel Servizio sanitario regionale
http://assr.regione.emilia-romagna.it/…/notizie/2014/agopun…
もともと19世紀から広範囲の筋肉痛は報告されており、筋肉リウマチ、結合組織炎、心因性リウマチと呼ばれていました。余談ですが、この時代のイギリス・リウマチ学における結合組織炎の概念がアメリカのジャネット・トラベルによる筋筋膜性疼痛症候群とトリガーポイントの発見につながるという歴史があります。
1981年、モハメド・ユヌスが最初の科学的報告をしました。フィブロマイアルジア(線維筋痛症)の「フィブラ」はラテン語の繊維(fiber)であり「マイオ」はギリシャ語の筋肉(muscle)、「アルゴス」もギリシャ語の痛み(pain)です。
1987年の『アメリカ医師会雑誌(JAMA)』に線維筋痛症候群の報告があり、この時代はFMSと呼ばれていました。1990年にアメリカ・リウマチ学会が最初の診断基準を発表しました。それで日本にも2003年に厚生労働省に研究班ができました。
2016年2月、『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』の『アキュパンクチャー・イン・メディスン』にスペインのヨルゲ・ヴァス医師による画期的な論文が掲載されました。
2016年2月「線維筋痛症の鍼によるプライマリケア:ランダム化比較試験」
Acupuncture for fibromyalgia in primary care: a randomised controlled trial
Jorge Vas et al.
Acupunct Med 2016 Feb 15
http://m.aim.bmj.com/…/2…/01/27/acupmed-2015-010950.abstract
【結論】
個別化(弁証)された鍼治療は、線維筋痛症のプライマリ・ケアにおいてプラセボ治療と比較して疼痛緩和の効果が証明された。その効果は1年持続し、副作用はマイルドであまりなかった。
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