情志病の経絡学基礎:奇経病1 督脈

2006年「情志病の経絡学基礎」
情志病的经络学基础
张建斌 王玲玲
《辽宁中医杂志》 2006年05期
http://www.cnki.com.cn/Article/CJFDTOTAL-LZXB201505069.htm
(オープンアクセスPDFファイルあり)

以下、引用。

『霊枢・経脈』は督脈経の別絡を論述し、「督脈の別は・・・、虚すれば頭が重く、高く、これを揺する』とあり、頭部が重くなり、リラックスできずに、頭部が意識せずに揺れて、震戦の症状となると書かれている。

《黄帝内经·灵枢》经脉第十
http://www.zysj.com.cn/lilunsh…/huangdilingshu/101-3-10.html

以下、引用。

『脈経』平奇経八脈第4と『脈経』巻十の記載で、督脈経が動ずれば大人は癲病となり、小児は癇病となるという記述がある。

督脈病で大人は「癲(てん)」、小児は「癇(かん)」という表現はよくみられます。

尺寸俱浮,直上直下,此为督脉。腰背强痛,不得俯仰,大人癫病,小人风痫疾。
脉来中央浮,直上下痛者,督脉也。动苦腰背膝寒,大人癫,小儿痫也,
《脉经》平奇经八脉病
http://zhongyibaodian.com/archives/3770.html

三部俱浮,直上直下者,督脉也。动,苦腰脊强痛,不得俯仰,大人颠,小儿痫。
《脉经》卷十 手检图三十一部
http://lre.cn/article/10000679.html

「癲」と「癇」の 「癲癎(てんかん)」は唐代『備急千金要方』風癲に初出しています。

狂走癫痫,灸季肋端三十壮
狂癫痫易疾,灸足少阳,随年壮。
《备急千金要方》风癫第五
http://www.zysj.com.cn/…/beijiqianjinyaofang5…/221-17-5.html

「癇」は突然倒れて、意識障害とケイレンを起こします。

元代『丹渓心法』では「癇」では痰涎が孔竅を塞ぐという病因が指摘されています。

无痰涎壅塞,迷闷孔窍。发则头旋颠倒,手足搐搦,口眼相引,胸背强直,叫吼吐沫
《丹溪心法》痫五十九
http://www.zysj.com.cn/lilunshuji/danxixinfa/650-15-4.html

明代、楼英著『医学綱目』でも、横隔膜の痰を癲癎の病因として指摘しています。

癫痫:癫痫,即头眩也。痰在膈间,则眩微不仆。痰溢膈上,则眩甚仆倒于地,而不知人,名之曰癫痫。徐嗣伯云∶大人曰癫,小儿曰痫,其实一疾也。
《医学纲目》卷之十一·肝胆部 癫痫
http://www.zysj.com.cn/lilunshuji/yixuegangmu/335-15-1.html…

明代、王肯堂著『証治准縄』雑病・癇病では「陽癇」と「陰癇」に分類されています。さらに陽きょう脈、陰きょう脈と癲癎の関係を記述しています。

昼に発する癇は陽きょう脈である。夜に発する癇は陰きょう脈である。まず、両方のキョウ脈に灸し、その後に薬を服する。

为阳痫,病在六腑,外在肌肤,犹易治也。
病发脉沉者,为阴痫,病在五脏,内在骨髓,难治也。
《证治准绳·杂病》痫
http://www.zysj.com.cn/…/zhengzhizhunshengzab…/571-14-4.html

明代、王肯堂著『証治准縄』雑病 癲狂癇総論は、複雑な癲・狂・癇の概念を整理し、さらに奇経八脈との関係を論じています。

また、奇経の癲癎を論ずるものがあり、前後左右が弾くのは陽きょう脈であり、動して腰痛に苦しみ、悪風・偏枯し、僵仆(=地面に倒れ)し、羊のような声で鳴き、身体が強張り、皮膚が麻痺するものには陽きょう脈、外果の上3寸(おそらく附陽)を取る。

後部が左右に弾くのは陰きょう脈であり、動ずれば癲癎・寒熱に苦しむ。

少陽から太陽に斜めにいたるのは陽維脈であり、動ずれば癲癎に苦しむ。 僵仆し、羊のような声で鳴き、 手足に引き、甚だしければ声が出ずに話すことができずに癲疾となる。客主人を取る。

少陰から厥陰に至るは陰維脈であり、動ずれば癲癎に苦しむ。尺寸ともに浮き、直下直上、これは督脈であり、腰背こわばって痛み、仰向けになることができない、大人は癲病、小児は癇疾となる。

《证治准绳·杂病》癫狂痫总论
http://zhongyibaodian.com/zhengzhizhunshengza…/571-14-1.html

清代、李用粋著、『証治匯補』癇病では、やはり陽癇と陰癇に分類されています。

痫病有阴有阳.大率属痰与热惊三者而已
《证治汇补》痫病
http://www.zysj.com.cn/lilunsh…/zhengzhihuibu/636-11-15.html

また、清代、程文囿著『医術』では脳と督脈と癲疾の関係を論じています。

思えばすなわち心気は上にあがり、脳髄が実すれば考えやすい。思い過ぎれば心の火は脳髄を焼き、めまい、かすみ目、耳鳴となり、脳髄を損傷する。髄は精を生じて下は督脈に通じ、命門の火が髄を温陽して充実させている。頭脳が痛となれば動ずれば眩暈となり、痙攣跳動し、これは肝経の痰火によるもので、厥癲疾という名前である。
《医述》脑
http://www.zysj.com.cn/lilunshuji/yishu/472-21-2.html

督脈病を調べただけでも、かなり深い部分がありました。

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