MENU

Covid19の鍼治療と一酸化窒素

 
 
2022年1月10日 UCLA
「SARS-Covid19の一酸化窒素の病理学:鍼治療の役割の可能性に向けて」
Nitric Oxide on Pathophysiology of SARS-CoV 19: Toward Possible Role of Acupuncture Treatment
Sheng-xing Ma et al.
International Journal of Biomedical Science 2021 Nov; 17(4): 40–45.
 
 
以下、引用。
 
実験によると、一酸化窒素はCOVID-19と同様の構造を持つ重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルスの複製サイクルを阻害する。
 
一酸化窒素ガス吸入を使用することによる一酸化窒素レベルの増加は、SARS患者の気道抵抗を減らし、ウイルス誘発性肺感染症を改善することによって肺機能を回復させることが示されている。
 
臨床的特徴と病態生理学は、一酸化窒素欠乏症と内皮機能障害がCOVID-19の発症に寄与することを示した。
 
異なるグループからのいくつかの研究は、鍼治療が 一酸化窒素シンターゼの発現を増加させ、動物とヒトの両方の血漿と局所皮膚領域での一酸化窒素産生と放出の上昇を誘発することを一貫して示した。
 
増加するレベルの一酸化窒素を誘発する外因性の一酸化窒素供給、または介入は、炎症および急性肺損傷に対する保護効果において重要な役割を果たす可能性が示唆されている。
 
この文献は、Covid19の鍼治療の可能性を導き出す一酸化窒素の誘導のメカニズムの合理性、Covid19の鍼研究の未来を改善し、より良い臨床結果を導くことにハイライトをおいている。
 
鍼治療は、COVID-19の治療とリハビリテーションに役割を果たし、COVID19によって引き起こされる症状を緩和する可能性がある。
 
【3.鍼は一酸化窒素の産生と放出を導く】
【3.1鍼はnNOS発現とツボでの一酸化窒素の放出、ラットの脳での一酸化窒素の放出を導く】
鍼はヒトでの一酸化窒素の放出を導く。
 
 
2014年に関西医療大学の木村研一先生が『アキュパンクチャー・イン・メディスン』に「人間における鍼刺激の皮膚血管拡張反応におけるNO合成酵素の効果」(※1)という研究を発表しました。
 
鍼を刺すと、軸索反射によって神経終末からCGRPやサブスタンスPといった物質が放出され、血管が拡張し、フレア現象を起こします。
このフレア現象の血管拡張には、軸索反射以外のメカニズム、一酸化窒素が関与しているというものでした。
 
 
※1:2014年「人間における鍼刺激の皮膚血管拡張反応におけるNO合成酵素の効果」
Effects of nitric oxide synthase inhibition on cutaneous vasodilation in response to acupuncture stimulation in humans.
Kimura K, Takeuchi H, Yuri K, Wakayama I.
Acupunct Med. 2013 Mar;31(1):74-80.
 
 
 
2015年の明治国際医療大学の研究者グループの実験結果(※2)は、確かに鍼による筋内血液流量増加には一酸化窒素が関与しているが、一酸化窒素以外の血管拡張因子の関与が考えられるというものでした。
 
 
※2:「ラットのマニュアル鍼による局所筋内血流の増加における一酸化窒素とプロスタグランジンの役割」
Contributions of nitric oxide and prostaglandins to the local increase in muscle blood flow following manual acupuncture in rats
Hisashi Shinbara, Masamichi Okubo, Keisaku Kimura, Kunio Mizunuma, Eiji Sumiya
Acupunct Med 2015;33:65-71 doi:10.1136/acupmed-2014-010634
 
 
 
2017年にUCLAのSheng-Xing Ma先生の論文が最も総合的です。
 
 
2017年
『エビデンス・ベースド・コンプリメンタリー・アンド・オルタナティブ・メディスン』
「鍼の手技と電気温熱による局所での一酸化窒素リリース反応:強化方法の効果」
Response of Local Nitric Oxide Release to Manual Acupuncture and Electrical Heat in Humans: Effects of Reinforcement Methods,
Sheng-Xing Ma et al.
Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine (2017).
 
 
 
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次