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腹痛とアクネス

2019年12月12日 独協医科大学
「前皮神経絞扼症候群(ACNES)と身体症状症の困難な鑑別:症例報告」
Difficult differentiation of a somatic symptom disorder from anterior cutaneous nerve entrapment syndrome (ACNES): a case report
Narifumi Yokoyama,et al.
BMC Psychiatry. 2019; 19: 394.
Published online 2019 Dec 12.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6909439/

 


16歳の日本人女性で、腹痛で学校に行けなくなり、大学病院で検査や精神医学的診察を受け続け、最終的に腹部へのトリガーポイント注射で症状がなくなりました。

精神医学における身体症状症と思ったら、肋間神経の絞扼神経障害、アクネスだった症例です。

腹部の圧痛点はT7ーT12の肋間神経の腹壁への出口の部分に出ますが、これはちょうど足陽明胃経の経穴の部分です。過敏性腸症候群や尿路結石とも誤診されやすいそうです。

 

診断は圧痛点とカーネット徴候です。

1926年にアメリカの外科医で第1次世界大戦に従軍したジョン・バートン・カーネットが提唱しました。腹筋を緊張させると腹痛が悪化します。

最近、卒後1年の鍼灸師の先生方から複数の相談を受け、どちらも病歴から明らかに身体症状症を疑えるものでした。

身体症状症の説明は難しいですが、鍼灸臨床では必須の知識だと思い、精神医学の教科書を横において説明しました。

しかし、身体症状症疑いの中に、さらに前皮神経絞扼症候群が混じっていることを知ると、本当に「臨床は難しい・・・」としか言いようがありません。

 

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