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鍼とアメリカ臨床腫瘍学会 ガイドラインをめぐる科学論争

 
2022年11月21日『サイエンス・ベースド・メディスン』
『アメリカ臨床腫瘍学会(ASCO)はガン性疼痛にインチキ統合腫瘍学を承認する』
 
 
2022年9月22日にアメリカ臨床腫瘍学会とアメリカ統合腫瘍学会が、がん性疼痛ガイドラインで鍼を認めたことを、外科医・医学博士のデビッド・ゴルスキ先生が猛批判です。デビッド・ゴルスキ先生は、イギリスのエッアート・エルンスト教授と並ぶ、アメリカの偽医学批判の代表的な学者です。
 
重要なのはデビッド・ゴルスキ先生が『アメリカ臨床腫瘍雑誌(JCO)』を発行しているアメリカ臨床腫瘍学会のメンバーであることです。
 
 
以下、引用。
 
確かに(ASCOの発行する『アメリカ臨床腫瘍雑誌』は)最も読まれ、影響力のある雑誌の 1 つであり、インパクトファクターは 50.717で、学術雑誌の上位 1% にランクインしている。これは、専門誌としては驚くほど高いインパクト・ファクターである。
『アメリカ臨床腫瘍雑誌』は、少なくとも世界の上位 20 誌にランクインしており、ほぼすべての腫瘍学者とわたしのような外科腫瘍学者や放射線学者に広く読まれている。『アメリカ臨床腫瘍雑誌』で統合腫瘍学を促進することは大したことであり、アメリカ臨床腫瘍学会はこれらのガイドラインにかなりの重みを置いていることは明らかである。憂鬱なことに、アメリカ臨床腫瘍学会が統合医療のいんちきに全力を注いでいることを示している。
 
 
1991年にゴードン・ガイアットが「科学的根拠に基づいた医療」という論文でEBMを提唱し、1992年にコクラン共同計画がたちあがりました。
 
EBMは権威者の意見を最下位に置き、ランダム化比較試験とそれを総合したメタアナリシス、システマティック・レビュー、臨床ガイドラインを最上位に置きます。
 
1997年のアメリカNIH国立衛生研究所の鍼治療に関する共同声明、2006年のドイツ鍼の大規模ランダム化比較試験GERACによる鍼の保険の適応と時代が進みます。
 
2017年、アメリカ内科医師会が世界五大医学雑誌である『アナルス・オブ・インターナル・メディスン』に鍼を推奨する腰痛ガイドラインを発表しました。
 
2020年8月、イギリスの英国国立医療技術評価機構が、慢性疼痛ガイドラインの草稿で鍼を推奨することを発表しました。
 
2022年9月、アメリカ臨床腫瘍学会が『アメリカ臨床腫瘍雑誌』においてアロマターゼ阻害薬の副作用の関節痛に鍼を推奨したのですが、反発・批判が起きているというのが2022年11月の現状になります。
 
 
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