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2022年の中国と白紙革命

2022年12月14日『大分合同新聞』
「中国、無症状感染者数の公表中止」

以下、引用。

中国政府は12月14日から新型コロナウイルスの新規感染者数の発表で無症状感染者数を公表するのをやめた。「正確に実際の数を把握できないため」としている。

中国政府はゼロ・コロナ政策と中医薬重視政策を採用していました。

2020年8月11日に13期全国人民代表大会常務委員会第21回会議で習近平主席は中医学コロナ対策の指揮をとった張伯礼院士に「人民英雄」の国家栄誉称号を授けました。

2022年4月1日から6月1日までの2か月間、厳しい上海ロックダウンが続きました。

 

2022年5月2日 榎木英介(病理専門医)
『日本人研究者が見た「上海ロックダウン」の真実』

政府が推しているのが中医薬(日本の漢方薬に相当)だ。最近の上海では連花清瘟という中医薬が全世帯に配布された。

ーー全世帯配布とはかなりの数ですね。どの程度効果があるのでしょうか?

A氏:連花清瘟がちゃんとした治験で効果が実証されたことはない。実は中国国内でもこれから二重盲検試験を始めるという段階だ。それにも拘らず大量配布されているという不思議な状況だ。伝統的な中国医学は高齢者のワクチン忌避の遠因ともなっており、中国の新型コロナ対策にはマイナスなのは明らかだが、政治的な影響力が大きく、上海での全戸配布へとつながっているのだろう。

 

2022年4月1日から上海全域のロックダウンとなり、政府から予防薬として中成薬、蓮花清瘟が配られ始めます。

4月6日に人民日報は「WHOがコビット19に対する蓮花清瘟の効果を確認した」と報道し、以岭药业の株価はストップ高となりました。

しかし、蓮花清瘟は配られても食料などの生活必需品は配られないとして、WeipoやWeChatなどのSNSで中国ネチズンが騒ぎ出しました。ロジスティックスの3分の1を蓮花清瘟の配布に使い、食料配布などを怠っていた実態が大量に書き込まれました。

 

2022年4月16日に丁香医生という健康プラットフォームの医師たちが「蓮華清瘟は新型コロナウイルスの予防効果はない」と声明を出し、株価は1日で10億5千万ドル(1,500億円)も下落しました。

2022年8月9日、丁香医生が中国のインターネットで削除・閲覧禁止となりました。

2022年10月16日からの中国共産党第二十次全国代表大会で習近平主席の3期目が決定します。ゼロ・コロナ政策の継続が世界中で報道されました。

2022年11月24日、新疆ウイグル自治区のウルムチ市の火災で、マンションから逃げ遅れた10名が死亡しましたが、政府はコロナ対策と関係がないと主張しました。

2022年11月26日から白紙革命がはじまります。中国の清華大学など大都市で若者のデモが起こり、世界中で若者のデモが起こります。

2022年11月27日には日本の東京都、新宿西口でも中国系の若者のデモが起こりました。

2022年12月07日、中国政府はゼロ・コロナ政策の緩和を発表します。

2022年12月14日、中国政府はコロナ無症候感染者数の公表中止を発表しました。

2022年12月15日、中国経済に関するニュースが発表されます。

2022年12月15日『日本経済新聞』
「中国小売売上5.9%減 11月、ゼロコロナで減少幅拡大」
2022年12月15日『ロイター通信』
「中国11月不動産投資、前年比19.9%減 過去最大の落ち込み」

 

2001年に中国が世界貿易機関WTOに加盟してから今年で21年目です。

日本の高度経済成長は1954年12月から1973年11月の19年間でした。

 

【1971年ニクソンショックから2022年までの51年の歴史】

1971年7月15日、ニクソン大統領が訪中宣言します(第1次ニクソンショック)。

1971年7月26日、ジェームズ・レストン記者が鍼麻酔について書いた「北京での私の手術について今語る」という記事が『ニューヨークタイムズ』に載り、世界中で鍼麻酔ブームが起きました。

1972年2月21日にニクソン大統領が訪中します。

1972年9月25日に田中角栄が訪中します。

1978年8月、福田赳夫政権の下で日中平和友好条約が調印されます。

1980年6月に『中医臨床』が創刊されます。

1981年に神戸中医学研究会が『中医学入門』を出版します。

1981年10月、日中傷寒論シンポジウム訪中団が結成され、北京中医学院講堂にて日中傷寒論シンポジウムが開催されました。

1982年から鍼用語標準化のためのWHO西太平洋地域事務局 におけるワーキング ・グループ会議が始まります。これは西太平洋地域ディレクターであり、1988年から1998年までWHO第4代事務局長を務めた中嶋宏先生のイニシアティブによるものです。

1987年に世界鍼灸学会連合会が発足します。

1989年6月4日に天安門事件が起こります。

1991年、冷戦終結。同年、ゴードン・ガイアットが「エビデンス・ベースド・メディスン」を書きます。1992年にコクラン共同計画が発足し、EBМの時代が始まりました。

1993年、日本の鍼灸の第1回国家試験が実施され、日本の鍼灸教育『東洋医学概論』に中医学が導入されました。

1996年3月2日の朝日新聞に「漢方薬副作用で死者10人 慢性肝炎に使われた小柴胡湯 88人が間質性肺炎」という記事が掲載されます。日本東洋医学会はEBМ漢方へと舵を切ります。

1997年11月にアメリカ国立衛生研究所が鍼の効果には科学的根拠があり、保険会社は保険支払いをすべきであるという声明を行いました。

2000年代にドイツではクラウディア・ウィットが指揮をとり、ドイツ鍼大規模臨床試験(GERAC)で数千人単位の大規模臨床試験を行い、その結果を受けて2006年4月からドイツでは腰痛や膝痛などの痛みに対して保険が支払われるようになりました。

2001年に中国が世界貿易機関WTOに加盟します。

2002年の9.11世界貿易センター事件で世界は変わります。アメリカは2002年アフガニスタン戦争、2003年イラク戦争を起こし、国力を低下させます。

2008年のリーマンショックは世界同時不況となり、アメリカの国力は劇的に低下します。

2009年にはブラジル・ロシア・インド・中国がBRIC会議を開き、2014年には南アフリカ共和国を入れたBRICs銀行が発足します。

2008年にWHOから『WHO/WPRO標準経穴部位』が出版され、日本・中国・韓国で経穴が標準化されます。

2009年9月にISOでTC249という中国伝統医学の国際標準化をする専門部会が設置されます。

2009年9月、民主党の鳩山由紀夫政権が成立。

2010年6月、民主党、菅直人政権が成立。

2010年9月に尖閣列島で中国漁船が海上保安庁巡視船に衝突。同時期に中国のGDPが日本を抜いて世界2位となります。

2011年3月、東日本大震災・福島第一原発事故が起こります。

2011年9月、民主党・野田佳彦内閣が成立。

2012年8月、韓国の李明博大統領が竹島に上陸し、2012年09月に日本政府は尖閣諸島を国有化します。

2011年6月19日、日本の鍼灸業界は日本鍼灸に関する東京宣言2011をおこないます。 

 

《2012年~習近平主席の時代》
2012年11月、中国の習近平が主席となります。

2012年12月に自民党は選挙で大勝し、第2次安倍晋三内閣が成立。

2013年9月、東京オリンピックの招致が決定。

2014年、APECで中国政府が一帯一路を提唱します。

2016年、中国主導でアジアインフラ投資銀行が発足。世界は多極化システムへと移行。
同年、アメリカではトランプ政権が発足し、イギリスはBrexitでEU離脱を決めます。

2017年、中国で中医薬法が成立し、一帯一路の思想から世界中で中医学センターが設立されました。

2018年8月、トランプ再選キャンペーンのなかでQアノン陰謀論が拡がりはじめました。

2019年12月、COVID19のパンデミックが始まるなか、2020年アメリカ大統領選挙ではQアノン陰謀論が世界中に拡散されます。
2019年にはWHOの国際疾病分類‘ICDー11’に中医学の概念が入りました。2019年は米中貿易戦争・米中新冷戦が勃発し、激化の一途をたどります。

2020年9月、日本で菅義偉内閣が発足。

2021年1月6日、Qアノン陰謀論者によりアメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件が起こり、5人の死者が出ました。

2021年7月23日から東京オリンピックが開催されます。

2021年10月、日本で岸田文雄内閣が発足。

2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻。

2022年4月、中国政府が上海ロックダウンを行います。

2022年7月、安倍晋三元首相が暗殺され、統一教会問題が可視化されます。

2022年10月、二十大(中国共産党第二十次全国代表大会)で習近平主席の3期目が決定します。

2022年11月、中国の若者の抗議活動、白紙革命がはじまります。

2022年12月、中国政府はゼロ・コロナ政策の緩和を発表します。

1971年からの歴史の転換点に、いま、われわれは立っている印象があります。

 

 

 

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