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腱板炎の鍼

 
2018年1月13日
「トップ・アスリートの腱板損傷のマネージメント」
Management of Rotator Cuff Injuries in the Elite Athlete
Leigh J. Weiss,et al.
Curr Rev Musculoskelet Med. 2018 Mar; 11(1): 102–112.
Published online 2018 Jan 13
 
 
 
アメリカのNFLチーム、ニューヨーク・ジャイアンツのアスレティックトレーナーの先生が著者です。
 
以下、引用。
 
ドライニードリング(鍼)は肩の可動域と機能を改善することが示されている。
 
慢性の腱損傷の治療において、鍼は血流を刺激して、成長因子を刺激して、治癒機転をアシストする。
 
最近のランダム化比較試験において、棘上筋部分への鍼に治癒効果があり、肩の可動域を改善した。
 
同様に、(英シェフィールド大学の)オズボーンとガットの研究では、肩甲上腕筋の治療後、バレーボール選手の可動域と機能の改善を示している。
 
 
 
2010年
「エリート・バレーボール選手のドライニードリングを使った肩損傷のマネージメント」
Management of shoulder injuries using dry needling in elite volleyball players
Nichola J Osborne , Ian T Gatt
Acupunct Med. 2010 Mar;28(1):42-5
 
 
 
2016年
「後方の肩の硬さに対するドライニードリングの急性効果:症例報告」
ACUTE EFFECTS OF DRY NEEDLING ON POSTERIOR SHOULDER TIGHTNESS. A CASE REPORT
Samuele Passigli, et al.
Int J Sports Phys Ther. 2016 Apr; 11(2): 254–263.
 
 
 
もっとも印象的なのは、多血小板血漿療法はエビデンスが確立していないという記述です。
腱板損傷への多血小板血漿療法の臨床結果に差異はないのです。
 
 
2017年
「整形外科における多血小板血漿の使用に関するエビデンスに基づく評価ー文献レビュー」
An evidence-based evaluation on the use of platelet rich plasma in orthopedics – a review of the literature
Nasir Hussain
SICOT J. 2017; 3: 57.Published online 2017 Oct 9.
 
損傷部位に多血小板血漿を注射しても、臨床的に効果はないことが研究で発見されている。
 
 
個人的には、田中将大選手や大谷翔平選手が多血小板血漿療法の治療を受けた際に、エビデンスがない治療法を選択することに驚き、世界トップクラスのアスリートが何故、効果のない治療法をするのかと思いましたが、現在もスポーツ医学の世界は同じようです。
 
 
理学療法の肩甲帯のスタビライゼーションのためのエクササイズ・プログラムは、システマティックレビューを見る限り「やらないよりはやったほうが良い」のは確実ですが、どのようなエクササイズが適切かは不明だと感じます。アイシング、ストレッチ、テーピング、多血小板血漿療なども含めて、エビデンス・ベースドにおいては不十分だと思います。
 
 
2020年
「肩インピンジメント症候群の肩甲帯安定化エクササイズ・プログラム:システマティックレビュー」
Effect of scapular stabilization exercise program in patients with subacromial impingement syndrome: a systematic review
Hariharasudhan Ravichandran,
J Exerc Rehabil. 2020 Jun; 16(3): 216–226.
Published online 2020 Jun 30
 
 
外科手術も、腱板部分断裂の外科手術で75%は競技復帰できたが、以前のレベルには戻れなかったというデータなど、非常に参考になりました。
 
 
 
 
 
 
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