今年は戊戌(ぼ・じゅつ:つちのえ・いぬ)の年で、五運では「火運太過(かうんたいか)」です。
素問・気交変大論篇では、以下の記述があります。
火運太過では炎暑が流行し、(火克金)で肺金が邪気を受ける。民は瘧(ぎゃく=悪寒発熱に苦しむ)、少気(元気がない)、咳や喘息、出血、下痢、ノドの乾燥、耳鳴、熱中症、肩背の熱に苦しむが、上は『 熒惑星 =火星』に対応している。
炎暑が流行し、熱中症が多発するのは大当たりですが、「上は榮惑星(火星)に応ずる」も大当たりのようです。
五行の木・火・土・金・水とは、12年周期の歳星(木星)、榮惑星(火星)、鎮星(土星)、太白星(金星)、辰星(水星)の五惑星から来ています。
古代中国の28星座「二十八宿」の
東方の角・亢・氐・房・心・尾・箕は青い竜のようなので「青龍」、
南方の井・鬼・柳・星・張・翼・軫は赤い鳳凰のようなので「朱雀」、
西方の奎・婁・胃・昴・畢・觜・参は白い虎のようなので「白虎」、
北方の斗・牛・女・虚・危・室・壁は黒い亀のようなので「玄武」、
と呼ばれます。
もちろん、鍼の催気手技の「青龍はい尾」や「赤鳳迎源」、「白虎揺頭」はここから来ました。漢方の「小青竜湯」や「白虎湯」も同じです。
日本の高松塚古墳やキトラ古墳の天井や壁にも、この二十八宿が書かれています。
『史紀・天官書』や『漢書・天文志』あるいは『晋書・天文志』などの中国の歴史書は日本語訳もあり、こういった古代中国の天文の宇宙観がよく分かります。
世界の名著 12 中国の科学 (中公バックス)
大矢 真一 中央公論新社 (1979/01)
孔子の見た星空―古典詩文の星を読む
福島 久雄 大修館書店 (1997/03)
中国占星術の世界 (東方選書)
橋本 敬造 東方書店 (1993/02)
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