『中国医学による花粉症の治療―日中の中医治療を比較して―』
『昭和医学会雑誌』方 泓, 久賀 秀樹, 川口 毅
59 巻 (1999) 1 号 p. 12-15
日本では花粉症に対して小青竜湯や葛根湯加川芎辛夷をよく使います。
これらは『傷寒論』の太陽病の方剤です。
膀胱経と督脈を強く通じさせます。
特に小青竜湯は『金匱要略(きんきようりゃく)』の 痰飲(水飲)の4分類である四飲(しいん)の痰飲(たんいん)、懸飲(けんいん)、溢飲(いついん)、支飲(しいん)の一つである溢飲を治療する方剤です。
鍼灸では奇穴の印堂、督脈の上星から百会などの反応点、通陽に督脈の施灸を行います。
足太陽膀胱経では、曲差から通天の反応点、背部兪穴をよく使います。
個人的には、手太陽小腸経の反応が出ているツボも使います。
手太陽小腸経も鼻に通じています。
花粉症の弁証論治の理論はまだ完成には遠いと思います。
胃経の寒飲があると思うので、陽明経を通じさせる工夫も必要だと思います。
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