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【BOOK】『ファシアーその存在と知られざる役割』

『ファシアーその存在と知られざる役割』
David Lesondak (著),
監訳:小林 只 (監修),
協力:一般社団法人日本整形内科学研究会(JNOS)
医道の日本社 (2020/2/20)



豊富な絵と文章で現在、もっとも良質のファシャの日本語の入門書になると思います。ジョン・F・バーナーズの筋膜リリース・アプローチも145ページからわかりやすく書かれています。ここでは手術を受けても腰痛が治らず、腰部を仰向けで加圧した経験が書かれています。

ここで思い出したのは、ローリング療法を開発した柔道整復師の蓑原右欣です。1948年に交通事故に遭い、治療しても治らずに、仰向けになってテニスボールなどでゴロゴロと圧迫して治ったことから、1960年にローラーベッドの発明して特許をとったことで知られています。1950年代にフォームローラーを開発しているのです。


1997年 蓑原右欣
『痛みが消える速効ローリング法: 腰痛、ひざ痛から慢性病まで』
河出書房新社 (1997/6/1)


私もローリング療法の名人の先生に治療を受けた経験があります。

もっともユニークなのはローリング療法のローラー治療を受けて「くすぐったい感覚」のことを擽感(りゃっかん)と呼び、この「くすぐったい感覚」の下に「悪いところ」があるという考え方です。わたし自身、足関節捻挫の際にくすぐったい感覚があり、その下を治療することで疼痛が寛解した経験から、その感覚をつかめて、臨床にとても役立ちました。

もう一つ、バーナーズが持続圧を重視しているという記述も感動しました。私は指圧師として、持続圧を重視しています。指圧の三原則は「垂直圧」「持続」「集中」の3つですが、わたしは持続圧を技術的に重視しています。長い時間、持続圧をかけると、ファシャが変化する感覚が出ます。患者さんが不快なく長時間、適圧を継続するのはかなりの技術が必要です。持続圧を重視していることだけでもバーナーズの手技療法の技術の高さが伝わります。


原因不明の痛みの原因は、ファシアにあった!?いま、その謎が明かされる。

「不活性」「不要」とされた時代を経て、躍動する生体システム「ファシア」に備わる驚異の機能性が明らかに。ファシアの張力、滑走性、構造バランスに着目。トーマス・マイヤーズ、ジャン・クロード・ガンベルトー、カーラ・ステッコほか、現代を代表する臨床家も登場!


目次
第1章 ファシア:躍動する組織とシステム系
第2章 ファシア:マクロ(テンセグリティー構造)とミクロ(細胞)の関連
第3章 ファシアと解剖学
第4章 ファシアと神経系システム
第5章 ファシアと脳
第6章 ファシアと臓器
第7章 ファシアの病態を評価する
第8章 ファシアを対象とした治療方法

Photo by Alexander Jawfox

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