木村律先生が編集された「近畿中医学研究会紀要」を1994年に出された『複眼』と一緒に読んでいます。
木村律先生の「手法のことども」という文章では、石学敏先生を「石学敏一味」「石ちゃん」と表現し、石学敏先生の補瀉手技を徹底的に批判するなど木村律先生節全開でめちゃくちゃ面白いです。確かに石学敏先生の「90度以下小幅の一分間60回転の捻転が補法」というのは、あまりな補瀉です。
「鍼先の気」や「得気」に拘るのは相変わらずで、さらに面白かったのが「中医の難病への27処方を分析して144穴中で五兪穴は54穴、そのうち相生相克関係を使ったのは足三里の1回のみで0.006パーセント。これだけの難病になぜ五行配穴が登場しないのか」と疑問を投げかけていることです。
確かに現在の中医学鍼灸では、五兪穴・五行穴の思想からの配穴はほとんど使われません。李世珍先生が少し本で書いていた程度じゃないでしょうか。英語論文に至っては何でも「足三里・合谷・三陰交・内関」と響きの強いツボばかりで、読むたびに苦笑いしてしまいます。
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