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漢方による副作用

 

2016年5月12日『サイエンス・アラート』
「一般に使われている漢方ハーブ生薬の一つは、人口の10パーセントに腎臓病を引き起こすことができる」
A commonly used herbal remedy can cause kidney disease in up to 10 percent of the population

 

以下、引用。

事実として、一般にハーブ製品として用いられているアリストロキア酸は、人口の約5-10パーセントに腎障害やガンを引き起こす。

 

1993年のベルギーで中国製漢方によって腎障害となる例が100人単位で多発し、透析となる症例までありました。この漢方による腎障害は漢方薬腎症と呼ばれました。現在はアリストロキア酸腎症と呼ばれています。

 

「いわゆる Chinese herbs nephropathy (漢方薬腎症) の名称変更についてのいきさつ -アリストロキア酸腎症へ-」
小野 孝彦, et al.
『日本東洋医学雑誌』
Vol. 49 (1998-1999) No. 3 P 457-459

 

ベルギーで腎障害を起こした漢方は中医学の広防已や関木通という生薬で、日本漢方では使われていませんでした。日本では広防已ではなく漢防已が使われ、関木通ではなく木通を使っていたからです。

ところが、1997年の日本でも関西地方で漢方薬腎症が多発していることが日本腎臓病学会で報告されます。

 

「関西地方におけるChinese herbs nephropathyの多発状況について」
田中 敬雄et al.
『日本腎臓学会誌』 Vol. 39 No. 4 P 438-440

 

原因は、大阪府吹田市の「カーヤ」という会社が天津から輸入した漢方薬、当帰四逆加呉茱萸生美湯でした。1997年に発売中止となりました。

 

さらに、日本の薬局で販売されていた民間薬でも漢方薬腎症が起こっています。

 

「民間療法によって末期腎不全に至ったアリストロキア酸腎症の1例」
藤村 敏子,et al.
『日本腎臓学会誌』 Vol. 47 (2005) No. 4 P 474-480

 

1956年にクロアチアやセルビアなどのバルカン半島諸国の農家に流行していた腎不全と尿路ガンはバルカン腎症といわれていました。2005年にワシントン大学医学部のアーサー・グロルマンは、これらの農家の小麦に混在していたウマノスズクサがバルカン腎症の原因であると『アメリカ科学アカデミー紀要(PNAS)』に発表しました。1956年のバルカン腎症という病気の発見から49年目にしての病因の解明です。

 

2005年「アリストロキア酸と流行しているバルカン腎症の病因」
Aristolochic acid and the etiology of endemic (Balkan) nephropathy
Arthur P. Grollman et al.
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 10.1073/pnas.‪0701248104‬

 

そして、2016年4月25日にバルカン腎症の謎を解明したアーサー・グロルマン博士がアリストロキア酸腎症、漢方薬腎症について総合的に論じた総説論文「漢方薬のグローバル・ハザード」を発表しました。

 

2016年「漢方薬のグローバル・ハザード:アリストロキア酸から学ぶもの:
アリストロキア酸による健康被害からのレッスンは医療用植物の安全性と効果についてより多くの研究を導いている」
Global hazards of herbal remedies: lessons from Aristolochia
The lesson from the health hazards of Aristolochia should lead to more research into the safety and efficacy of medicinal plants
Arthur P Grollman
EMBO reports
Volume 17, Issue 5, pages 619–625, May 2016

 

2016年1月27日には中国の中医薬病院で漢方の育毛剤の何首烏(かしゅう)を処方された男性が肝障害で死亡しました。2015年の天津中医薬大学の研究では何首烏で450人が肝障害を起こし、2人は肝臓移植が成功しましたが7人が死亡しています。

 

『レビュー文献:ツルドクダミ(何首烏)関連の肝障害:症例報告のシステマティックレビュー』
Review Article
Liver Damage Associated with Polygonum multiflorum Thunb.: A Systematic Review of Case Reports and Case Series
Xiang Lei,et al.
Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine
Volume 2015 (2015), Article ID 459749, 9 pages
http://dx.doi.org/10.1155/2015/459749

 

 

2016年2月14日のオーストラリアでは痩せグスリとしてインターネットでガルシニアを購入した男性が死にかけて肝臓移植手術を受けました。

 

「ネットで痩せグスリをオンライン・ショッピングして飲み、2週間生死の境をさまよった男」
Man given two weeks to live after taking popular weight-loss product purchased online 2016年2月14日

 

2016年3月1日にはオーストラリアで2011年以来、ハーブ・サプリメントが原因で6人が臓器移植をしていることが判明しました。

 

「オーストラリアで、2011年以来、ハーブ・サプリメントが原因で6人が臓器移植をしている」2016年3月1日
Herbal supplements linked to at least six Australian organ transplants since 2011, data shows

 

そして、2016年4月25日にアーサー・グロルマン博士によるアリストロキア酸腎症、漢方薬腎症の総説論文が発表されたわけです。これらの情報を総合すると、グローバル化時代に産地が不明の輸入されたハーブ・サプリメント・漢方を飲む行為はかなりのハイリスク行動だと思われます。農薬汚染や放射能汚染の問題もあります。日常の食品と同じで、漢方とハーブも産地・農薬などの汚染を自分で判断する時代になったと感じました。

 

 

 

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