『黄帝内経素問』蔵気法時論篇第二十二
以下、引用。
肺は秋をつかさどり、手太陰肺経と手陽明大腸経の主治である。その日は、庚(かのえ:金の兄)と辛(かのと:金の弟)である。肺が気の上逆に苦しむなら苦味を食べてこれを泄する。
今、のぼせがある人は苦味のゴーヤなどが良いです。ゴーヤや緑茶など苦味のものは心熱をとり、気を下に降ろし、利尿作用があります。
五味と五臓の関係は複雑で面白いです。
『黄帝内経素問』宣明五気論篇第二十三では「辛味は肺に入る」と書かれています。辛味は肺に入ります。冬に風邪をひいたら辛味の生姜湯を飲んで、発汗・発散します。辛味は肺を瀉法します。
『黄帝内経素問』宣明五气篇第二十三
肺病の者は肺は収歛の臓なので酸味を食べて収歛します。肺は酸味で補法し、辛味で瀉法する性質があります。
『黄帝内経素問』藏气法时论篇第二十二
肺病の者は喘息・咳、気逆(逆気)となり、肩背痛となります。尻・陰部・股関節・ふくらはぎ・すね・足全てが痛みます。虚すれば呼吸が浅くなり(少気)、息を続けることができず、聴覚障害となり、のどが渇きます。治療には手太陰肺経と足太陽膀胱経の外側をとり、厥陰肝経から血を出します。
『黄帝内経素問』藏气法时论篇第二十二
『素問・蔵気法時論篇第二十二』の理論は非常に面白いです。
肝の色は青、よろしく甘味を喰らうべし。粳米、牛肉、棗(なつめ)は皆、甘味なり。
肝病では甘味を食べるとよいです。五穀の土穀の粳米、五畜の土畜の牛、五果の土果の棗を食べます。
臓腑病の場合、損傷した臓腑を直接治療するのは、重症では難しいです。肝臓病の場合、肝経はさわらずに脾経から治療するという考え方があります。
肺の色は白、よろしく苦味を喰らうべし。麦、羊、アンズ(杏)、ラッキョウ(薤)は皆、苦味なり。
これも肺病を心経から治療するという考え方です。麦は五穀の火穀、羊は五畜の火畜、杏は五果の火果、薤は五菜の火菜になります。
『素問』蔵気法時論篇第二十二の、五味によって臓腑病を治す理論は深みがあります。
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