2014年トルコのアンカラ・ウルス州病院小児科の論文
「鍼は、子どもの学校の成績にポジティブな効果があるの?」
Does acupuncture have a positive effect on school success in children?
Tas D, Acar HV.
J Tradit Chin Med. 2014 Aug;34(4):450-4.
以下、引用。
結論:鍼は原発性症状を持ち鍼治療を受けている子供たちの学問の成功に貢献できる。
これはトルコでADHDやアトピー性皮膚炎や片頭痛、オネショ、トゥレット症候群のために鍼治療を受けている11歳の子どもたち40人の数学、社会、国語(トルコ語)の成績を調査したものです。統計的に鍼治療を受けた子ども、特にADHDの子どもの学生は成績が上がりました。
オスマン帝国の15世紀の外科医セレフェディン・サボンジュールは鍼をしていた記録があります。百会(GV20)や地倉(ST4)など多くのツボが記録されています。
2015年「セレフェディン・サボンジュール、15世紀のトルコ人医師の本の中の鍼のツボ」
Acupuncture points in the book of Şerefeddin Sabuncuoğlu, a 15th century Turkish physician.
Acar HV.Acupunct Med. 2015 Feb;33(1):72-6. doi: 10.1136/acupmed-2014-010687. Epub 2014 Nov 7.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25380833
https://pdfs.semanticscholar.org/…/e8097da0053f710094165f68…
以下、引用。
(セレフェディン・サボンジュールの書いたトルコ伝統医学古典の)『帝国医学』には、中国医学は中央アジアのトルコ系民族に由来すると書かれている。
ウイグル医学を調べた際に以下の記述がありました。
以下、引用。
韃靼人(タタール人)研究者のラフメティ・アラット(ベルリン科学アカデミーのトルコ語言語学者)は、ウイグル伝統医学について1930年と1932年にベルリンで出版し、講義しています。彼と西側研究者は、鍼は中国ではなく、ウイグルの発見ではないかと疑っています。
トルコやウイグルなどトルコ系の民族では「鍼はトルコ起源説」はかなり浸透しています。
14世紀から絶頂期を築いたオスマン・トルコ帝国は、500年間の「オスマン帝国の平和」を築いた大帝国です。オスマン帝国は東ローマ帝国を滅ぼし、エジプトからシリア、パレスチナ、サウジアラビア、イラクに至る広大な世界を支配し、東ヨーロッパではハプスブルク家と覇権を争い、東欧とバルカン半島を支配し、さらにロシア帝国と争いました。
世界3大料理は、フランス料理・中華料理・トルコ料理です。トルコ文化は広大で深いです。ユーラシア大陸に広がるテュルク=トルコ・タタール文化は広大な世界です。中国に属する新疆ウイグル自治区の東トルキスタン(ウルムチやホータン)、旧ソ連に属していた西トルキスタン(カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン)あたりから、トルコにかけてのテュルク諸語地域は、日本人にとって最も未知の世界です。
戦前、日本とトルコの関係は密接でした。神戸モスクはロシア革命で逃げてきたロシア帝国在住だったテュルク・タタール人とインド系イスラム教徒が1935年に建てました。東京の有名なモスク、東京ジャーミーにもトルコ文化センターがあり、テュルク・タタール人のモスクとして1938年に建てられました。日本は日露戦争でロシアに勝利したこともあって、戦前はロシアから亡命してきたイスラム教徒がたくさんいました。
スタンダート・チャータード銀行は2030年にトルコ経済は世界5位の規模になると予測しています(1位中国、2位インド、3位アメリカ、4位インドネシア、5位トルコ)。トルコは多様性に満ちた未来の国なのです。
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