上記はThe Trigger Point & Referred Pain Guideに掲載されている中殿筋のトリガーポイント関連痛の図です。
腰痛で重要なのは左側からの3つ目の図で、中殿筋にトリガーポイントができると仙骨上に関連痛が出ます。この場合、仙骨上にいくら刺しても痛みはとれません。中殿筋の起始ー停止である腸骨稜と大転子の間を広く深く触診して中殿筋のトリガーポイント(阿是穴)を探す必要があります。トリガーポイント療法の創始者ジャネット・トラベルは中殿筋を腰痛筋とまで呼んでいます。
ジャネット・トラベルは『トリガーポイント・マニュアル』3巻、150ページでこう述べています。
中殿筋の筋膜トリガーポイントはよく見逃される下背部痛(腰痛)の原因である。
「お尻を治せば腰痛が治る」を実感させてくれる筋肉です。
また、中殿筋は股関節の外転の役割があり、股関節と腰、股関節と膝という複数の関節の中枢です。ジャネット・トラベルも書いているように「股関節の痛みは腰痛を引き起こすし、股関節の痛みは膝痛を引き起こす」ことを実感させてくれる筋肉です。
例えば梨状筋は仙腸関節から大転子に付着しており、(1)仙腸関節痛→(2)梨状筋の痛み→(3)中殿筋の痛み、という連鎖反応は普通に起こります。
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