高麗手指鍼: 嘔気(クヨクチル)

 

 

オーストリア・インスブルック大学麻酔科 アンドレアス・シュラージャー教授
2000年「高麗手指鍼の指圧は斜視手術後の子どもの術後嘔吐を減らした」
Korean hand acupressure reduces postoperative vomiting in children after strabismus surgery
A. Schlager, M. Boehler, F. Pühringer
British Journal of Anaesthesia
August 2000Volume 85, Issue 2, Pages 267–270
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15200538
https://bjanaesthesia.org/ar…/S0007-0912(17)37316-6/fulltext
(全文オープンアクセス)

 


ドイツ語圏内では
Koreanischer Handakupunktur(コレアニシッシャー・ハンドアクプンクトゥーア)の論文が多くて驚きました。韓国の柳泰佑(ユテウ)先生が1970年代に『鍼灸大成』をもとに開発した高麗手指鍼です。

 

以下、引用。

高麗手指鍼のツボ、K9は中国のツボ、内関(PC6)と対応しており、内関は多くの研究で止嘔効果が確認されているため、対応するK9は内関と同じ働きがあると考えた。

内関の鍼は手術後の悪心、嘔吐を減らすのに効果的であるが、不快であるため、覚醒している子どもに臨床的に使えない。

高麗手指鍼のK9ポイントは手術後嘔吐を20パーセントも減らした。

結論として、高麗手指鍼のK9ポイントへの指圧は小児の斜視手術後の嘔吐を減らすのに安価で効果的な方法である。

 

K9は高麗手指鍼の心包気脈のK9(内間)であり、中国の手厥陰心包経の絡穴である内関と対応しています。

2001年には同じシュラージャー先生が婦人科腹腔鏡手術の術後の患者50名を対象に外科手術後の悪心・嘔吐のランダム化比較試験をK9のツボで行い、『ドイツ鍼医学雑誌』に発表しました。

Prophylaxe von postoperativer Übelkeit und Erbrechen durch Koreanische Handakupunktur bei Patientinnen nach laparoskopischen Unterbaucheingriffen
Andreas Schlager、MichaelBöhler
Deutsche Zeitschrift für Akupunktur 2001; 44(1): 4-7
https://www.thieme-connect.com/…/abstr…/10.1055/s-2001-12243

 

 

2002年には同じシュラージャー先生が婦人科腹腔鏡手術の術後の患者80名を対象に、外科手術後の悪心・嘔吐のランダム化比較試験をK9のツボで行い、有効でした。

2002年「婦人科腹腔鏡手術の術後の悪心・嘔吐を高麗手指鍼の指圧は減らす」
Korean hand acupressure reduces postoperative nausea and vomiting after gynecological laparoscopic surgery.
Michael Boehler, Gottfried Mitterschiffthaler, A. Festag M. Schlager
Anesth Analg. 2002 Apr;94(4):872-5,
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11916788
http://www.hmieducation.com/…/Boehler%20M%20Korean%20Hand%2…
(オープンアクセスPDFファイル)

 

 

同じ2002年に韓国の漢陽大学校の麻酔科が腹部子宮摘出術後の吐き気を高麗手指鍼の大腸気脈のD2(二間穴に相当)へのカプサイシン軟膏で臨床試験をおこないました。

Capsicum plaster at the korean hand acupuncture point reduces postoperative nausea and vomiting after abdominal hysterectomy.
Kim KS1, Koo MS, Jeon JW, Park HS, Seung IS.
Anesth Analg. 2002 Oct;95(4):1103-7, table of contents.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12351304

 

 

2004年、同じ韓国の研究者たちが術後の咽頭痛に対して任気脈のA20(天突穴に相当)を用いた臨床試験をおこないました。

Prevention of postoperative sore throat using capsicum plaster applied at the Korean hand acupuncture point
H. S. Park K. S. Kim H. K. Min D. W. Kim
Anaesthesia. 2004 Jul;59(7):647-51.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15200538
https://onlinelibrary.wiley.com/…/10.1111/j.1365-2044.2004.…
(全文オープンアクセスですが、論文の絵のA20の位置が間違っています)

 

 

 

 

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