「手指鍼(수지침 :すじちむ)特別講義7:肝臓の痛みを抑える(1)」
[수지침 특강7] 간장 통증 다스리기(1)
http://health.chosun.com/…/ht…/2006/05/09/2006050956013.html
「간 장(かんじゃん)」は肝臓、「통쯩(とんちゅん)」は漢字の「痛症」です。柳泰佑(ユテウ)先生の特別講座の連載では、肝臓の疼痛に対して足厥陰肝経の期門に相当 する「N18」を使われています。
肝臓の疼痛というのは季肋部痛であり、中医学の脇痛に相当します。脇痛の古典の記述は『素問・蔵気法時論篇』に「肝病では両脇下の少腹に引く」と書かれており、肝病であることは間違いないです。現代では肝欝気滞などの肝病が原因とされることが多いです。慢性病では東洋医学の積聚(しゃくじゅ)の範疇に入ると思います。『難経・五十六難』では肥気、伏梁、痞気、息賁、奔豚の五積の概念があります。「持病の積」です。
面白いのは、西洋医学では脇痛・季肋部痛のことを英語で「hypochondriac pain」ということです。「ヒポコンドリー(Hypochondriasis)」は心気症と翻訳される精神病で、かつてはICDー10に収録されていた病名です。そして、ヒポコンドリー(心気症)の語源となったギリシャ語、ὑποχόνδριος(ヒポコンドリオス)は「肋軟骨の下」という意味だったそうです。実際、ラテン語の「ヒポコンドリウム(hypochondrium)」が語源となった英語「ヒポコンドリウム(hypochondrium)」は、解剖学用語で「季肋部」と翻訳されます。
「自分は深刻な病気ではないかと疑うこと」が現代西洋医学の「心気症(ヒポコンドリー)」ですが、中世ヨーロッパ伝統医学ではメランコリックな感情が原因で季肋部や上腹部の詰まり感となることが「 ヒポコンドリー(Hypochondriasis) 」だったと知って驚愕しました。これは中国伝統医学の「胸脇苦満」の概念そのままです。「持病の積」です。
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