王玲玲先生の熱証可灸論と八綱

 

 

 

 

2011年「艾灸の温通作用の理論研究」
艾灸温通作用的理论探讨
张建斌 王玲玲 胡玲 常小荣 吴焕淦
《中国针灸》 2011年01期收藏
 
 
 
南京中医薬大学、澄江鍼灸学派伝承工作室の張建斌先生と承淡安先生の灸法を受け継ぐ王玲玲先生の見解は素晴らしいです。
 
まず、寒証に対して灸法というのは当然なのですが、熱性疾病に対しての灸法を論じられています。張仲景の『傷寒論』は熱証忌灸なのですが、それ以降の孫思邈の『千金要方』は五臓の熱証で弦脈に灸五十壮しています。
 
20世紀になっても灸専門の老中医、周楣声先生は熱証貴灸を提唱して、流行性出血熱という温病を灸で治療されました。虚証に対しても、唐代の楊上善は経絡の気血が虚して陥下となり、灸すると論じ、金元の朱丹渓は陰虚にたいして丹田に灸して補陽し、補陽することで補陰するという治療を提唱しました。
 
実証に対しても、宋代の陳自明の『外科精要』では癰疽(ようそ=化膿性皮膚疾患)に灸しています。
 
寒証・熱証・虚証・実証のいずれも灸できるというのが王玲玲先生の主張になります。
 
さらに灸の作用として、
 
(1)発汗:表証を発散させる。
(2)温中散寒:裏証の臓腑の寒証を温陽する。
(3)瀉熱:大椎に年壮する。
(4)瀉毒散結
(5)止痛
 
の5つを挙げています。
 
これらは灸の温通作用、通陽作用でまとめられると思います。承淡安先生の系譜につらなる王玲玲先生の灸の見解は本当に勉強になります。
 
 
 

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