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慢性疼痛とミクログリア細胞とインスリン様成長因子

2022年9月01日『九州大学』公式ホームページ
「慢性疼痛からの自然回復に必要な細胞を世界で初めて発見!~ミクログリア細胞の驚くべき変化~」
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/744/

 

以下、引用。

がんや糖尿病、帯状疱疹、脳梗塞などで神経が傷つくと、非常に長引く痛みを発症する場合があります。この慢性疼痛は神経障害性疼痛と呼ばれ、解熱鎮痛薬などの一般的な薬では抑えることができず、モルヒネのような強い薬でも効かないことがあり、治療に難渋する痛みです。

共同研究により、痛みからの自然回復に必要な細胞を世界で初めて発見しました。驚くことに、この細胞はこれまで痛みの発症原因とされてきたミクログリア細胞の一部が変化したものであり、その細胞を無くしたマウスでは痛みからの回復が起こらず、長い間痛みが持続しました。このミクログリア細胞がIGF1という物質を作り出し、それが痛みを和らげることも明らかにしました。

IGF1(insulin-like growth factor 1)を多く作り出す化合物が見つかれば、神経障害性疼痛などの慢性疼痛に有効な治療薬の開発につながることが期待されます。

本研究成果は,米国科学雑誌「Science」オンライン版に2022年3月31日(木)14時(米国時間)に掲載されました。

 

2022年3月31日『サイエンス』
「神経因性疼痛の寛解および再発に関与する脊髄ミクログリア集団」
A spinal microglia population involved in remitting and relapsing neuropathic pain
KEITA KOHNO et al.
Science Vol 376, Issue 6588 pp. 86-90

痛みの回復を促進するこれらの細胞の能力は、インスリン様成長因子-1の高レベルの発現に依存していた。

インスリン成長因子1(IGF―1)については、以下の論文があります。

2018年「インスリン成長因子1のレベルへの灸の影響」
Effects of Moxibustion on the Levels of Insulin-Like Growth Factor 1
A Pilot Study
Jaung-Geng Lin,et al.
Cell Transplant. 2018 Mar;27(3):551-556.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6038048/

この研究は、灸療法が血清IGF1レベルを上昇させるのにきわめて効果的であることを示している。

 

 

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