2019年01月10日 中国“国医大师”邓铁涛逝世 享年104岁
鄧鉄涛先生が104歳でお亡くなりになりました。
2001年8月10日、老中医の鄧鉄涛先生と焦樹徳先生は『現代教育報』に「この数十年、本物の中医を育ててこなかった」という衝撃的な文章を発表しました。
これは、杉本雅子先生の2005年論文に詳細が書かれています。
「中国医学の現状と課題 : 伝統文化の視点から」
杉本 雅子 『帝塚山學院大学研究論集 文学部』 40, 33-51, 2005
以下、引用。
数十年にもわたって本物の中医を育成してこなかったのに実績もへったくれもない。中医薬大学が中医を育てなかったのに主要な実績などない。
もし今、大鉈をふるって改革を行わなかったら、あと数十年で現在残っている老中医のような伝統的な方法で病気を治す中医はいなくなってしまう。
鄧鉄涛は取材に対し、広州の中医医院ではこの2年間、師に学ぶ、中医学の経典を学習するという伝統的な中医教育を行ってきたことが成功につながったと述べ、なぜ広州以外の中医にそれができなかったのか、それは60歳前後までの中医は青年も中年もほとんどが西洋化しており、中医学の神髄を理解していない、臨床経験が不足している、中医学を信じていないことによる、と後継者教育の問題を再度指摘した。
焦樹徳の弟子、広東省中医医院の青年医師、陳偉が対SARSの実践を通じて痛感したという「中医がダメなのではない。我が国の中医学を学んでいる医者がダメなのだ」という言葉はキーワードにもなっている。
鄧鉄涛先生は2001年8月に「この数十年、本物の中医を育ててこなかった」という衝撃的な提言を行いました。
その翌年の2002年、中国・香港でSARSが大流行した際に鄧鉄涛、呂炳奎、焦樹徳、路志正といった老中医が「中国には中医学という武器庫がある」という建白書を政府に提出し、老中医の育てた弟子たちが大活躍して香港に中医学が根付いたという有名な話があります。
この時、鄧鉄涛先生は2003年は癸未(みずのと・ひつじ)年で、火運不及で太陰湿土司天・太陽寒水在泉というところから寒湿があると分析し、運気論の予測から対策していたそうです。まさに本物の中医です。
コメント