臓腑弁証の膀胱湿熱証

 

中医学の臓腑弁証の膀胱湿熱証はBladder dampness-heat patternとして世界保健機構(WHO)のICDー11に入りました。膀胱虚寒証も膀胱の臓腑弁証として入り、英語ではBladder deficiency cold patternです。

 

膀胱湿熱証は西洋医学の膀胱炎や尿路結石症であり、中医学の淋証の熱淋や石淋に相当します。頻尿、排尿痛、血尿、紅舌、数脈などがみられます。治則は清熱利湿で、代表方剤は日本にはない八正散などです。

日本の鍼灸院では、ギックリ腰と勘違いして尿路結石の急性腰痛を鑑別したことは何度もあります。または、膀胱炎を抗生物質で治療して、尿は透明になりましたが頻尿が続いているという「膀胱腑の虚証」は八髎や中極の八分灸が著効した経験があります。

 

冬になると頻尿となるという過活動膀胱タイプは、臓腑弁証の腎気不固証であり、虚寒があるので膀胱虚寒証と言えると思います。

 

清代の1824年、江涵暾著、『笔花医镜』卷二脏腑证治では以下のようにあります。

膀胱虚は左尺脈がかならず細脈・沈脈となり、小便失禁となり、労淋となる。労淋は尿の渋りであり、膀胱炎の他に前立腺肥大症も含む。

膀胱の実証は左尺脈はかならず洪脈となり、その症状は気淋、血淋、関格、膀胱気である。

膀胱の寒証は左尺脈はかならず沈脈遅脈であり、症状は冷淋である。冷淋は寒淋とも言う。

膀胱の熱証は左尺脈は必ず数脈であり、症状は小便不通で膏淋、石淋、便膿血となり、発狂する。

 

臓腑弁証の歴史としては、隋代、『諸病源候論』では膀胱実証と膀胱虚証に分類しています。

唐代、『備急千金要方』では膀胱実熱と膀胱虚冷に分類しています。

清代、『笔花医镜』 では膀胱虚証、膀胱実証、膀胱寒証、膀胱熱証に分類しています。

現代のWHOのICDー11では膀胱湿熱証、膀胱虚寒証になります。

 

 

 

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