『運動器リハビリテーションに役立つ Fasciaのみかた・とらえかた』
今北 英高 (編集)
文光堂 (2023/11/2)
『解剖・動作・エコーで導くFasciaリリースの基本と臨床 第2版 -ハイドロリリースのすべて-: Fasciaの評価と治療』
木村裕明 (編集), 小林 只 (編集), 並木宏文 (編集)
文光堂; 第2版 (2021/7/15)
この2冊は、2024年を生きる鍼灸マッサージ師の必読書だと思います。特に、臨床家として、筋骨格系疾患、慢性疼痛を研究するなら、この2冊が新時代のスタートラインだと思います。
わたしはよく「まず肩こりや腰痛など筋骨格系疾患を確実に治療できるスキルを身に着けた方がよい。トリガーポイントと筋筋膜性疼痛症候群を理解し、触診の技術を身につけ、筋骨格系疾患・慢性疼痛をきちんと施術できるようになったら、心身症・自律神経失調症やわけのわからない疾患の相談が来るので、その都度、患者さんを診ながら勉強させていただくしかない。使える技術、利用できるものは何でも使うべきである」と言い、ジャネット・トラベルのトリガーポイント・マニュアルの研究を推奨していました。
しかし、2024年4月の今は「上記の2冊などファシャの研究と臨床、体表解剖と触診やファシャの研究から学び始めるべき」だと言います。
ファシャは現代の科学研究の最先端でありながら、東洋医学の経絡経穴やインドのヨガなどの東洋医学、あるいはボディワークとの相性が良いからです。分野が膨大な入り口が今までなかったというのが2017年くらいまでの状態でしたが、いまは違います。
わたしはアレクサンダー・テクニーク、ロルフィング、フェルデンクライスなどのエサレン研究所のボディワークへの関心から入り、沖ヨガを学び、鍼灸マッサージから中医学を学ぶという入り方なので、他の方とかなり見る角度が違っていたという面があります。いまでもロルフィングやフェルデンクライス・メソッドなどのボディワーク・手技療法が主な関心事項ですし、今後も研究の中心はこれらになると思います。
とはいえ、2024年以降に鍼灸マッサージ師として活躍される方には体表解剖の触診スキルをあげることとファシャの研究と臨床が重要であることをお伝えしたいですし、実際に、現在、研修等ではそのようにお伝えしています。
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