耳鍼と迷走神経と「脳ー腸軸」「孤束核」

2023年2月26日
「優れた鍼師、張朝暉は『ニューロモデュレーション』に論文を発表した」
Distinguished Acupuncturist in China, Zhaohui Zhang Publishes Paper on Neuromodulation as the Corresponding Author

2023年2月16日『ニューロモデュレーシン』
「耳介迷走神経刺激は機能性胃腸症の胃過敏における中枢NGF神経成長因子/TrkAトロポニン受容体キナーゼA/ホスホリパーゼCーガンマ/シグナリング・パスウェイを阻害する」
Auricular Vagal Nerve Stimulation Inhibited Central Nerve Growth Factor/Tropomyosin Receptor Kinase A/Phospholipase C-Gamma Signaling Pathway in Functional Dyspepsia Model Rats With Gastric Hypersensitivity
Zhao-Hui Zhang et al.
Neuromodulation

以下、引用。

胃底のNGF、NGFとトロポニン受容体キナーゼA、ホスホリパーゼCーガンマ、孤束核でのTRPV1がPCR法とウエスタン・ブロッティングと免疫蛍光発色で検出された。
【結論】耳介迷走神経刺激は、脳=腸軸を孤束核(NTS)のNGF/TrkA/PLC−γシグナリング・パスウェイを通じて調整して、機能性胃腸症における内臓過敏を迷走神経を通じて改善することを示唆している。

フリードリヒ・アーノルドが1831年にアーノルド神経咳反射を発見し、耳介への迷走神経分布が確認された歴史があります。

2000年にカナダの医学者、ヴェンチュレイラが耳介経皮性迷走神経刺激によるてんかん治療を提唱しました。

2000年「てんかん治療のための経皮的迷走神経刺激:新しいコンセプト」
Transcutaneous vagus nerve stimulation for partial onset seizure therapy. A new concept.
Ventureyra EC.  
Childs Nerv Syst. 2000 Feb;16(2):101-2.

2017年にドイツのタラス・ウシシェンコ教授は、経皮性耳介迷走神経電気刺激こそが耳鍼の鎮痛効果メカニズムではないかと示唆する論文を発表されています。

2017年ウシシェンコ
「経皮性耳介電気迷走神経刺激は、耳鍼の鎮痛効果メカニズムなのかも知れない」
Transcutaneous auricular vagal nerve stimulation (taVNS) might be a mechanism behind the analgesic effects of auricular acupuncture.
Usichenko T,et al.
Brain Stimul. 2017 Nov – Dec;10(6):1042-1044.

以下、引用。

【結果】疼痛治療に使われる20穴の耳穴のうち15穴が迷走神経の耳の枝の支配下であった。
【結論】臨床データと経皮性耳介迷走神経刺激の実験による神経パスウェイの解剖の発見により、耳鍼の鎮痛効果は迷走神経の耳の枝によって説明できるかもしれない。

江蘇省の鍼灸専門の張朝暉先生は1995年に南京中医薬大学を卒業し、江蘇省の人民病院鍼灸科副主任、南京医科大学の教授です。

今回の論文は、機能性胃腸症の内臓過敏に対して、耳鍼が効果をあらわすのは、迷走神経、脳-腸軸、孤束核でのTRPV1などが関連しているというものです。

耳针治疗乳腺癌术后相关症状的临床研究现状和展望
张朝晖 et al.
《中国针灸》 2018年11期
低频耳针电刺激降低内脏敏感性的机制探讨
张朝晖 et al.
南京医科大学学报,2021年02期
基于自主神经论述耳穴疗法对胃肠道的调节作用
张朝晖 et al.
上海针灸杂志,2022年01期

張朝暉先生はこの数年、耳鍼による内臓過敏や術後疼痛の研究をされているようです。

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