ティファニー・フィールド先生とインファント・マッサージ

 

2014年11月4日『マイアミ・ヘラルド』
「マイアミ大学の研究者は未熟児のマッサージが成長を刺激することの先駆者」
UM researcher pioneered massaging premature infants to stimulate growth

 

以下、引用。

イヴァンナ・カルデラスは予定日が来る9週間も前に4つ児を産んだ。医師たちはベイビーD(4人目の赤ちゃん)は十分に栄養をとれず、妊娠に耐えられないと言った。一番大きな赤ちゃんは2ポンドで、一番小さな赤ちゃんは1ポンド3オンスだった。

「わたしたち夫婦は一番小さな赤ちゃんは生きられると思わなかった。わたしたちは牧師を呼んだわ。そして祈り、泣き、祈り、泣きしたの」と27歳のカルデナスは言う。

2カ月後、4つ児たちはマイアミ大学ジャクソン記念医療センターのホルツこども病院の保育器のなかで生きていた。そこでは基礎機能調整のためマッサージが行われる。保育器の中の腕を入れる穴からマッサージセラピストや医師やお母さん・お父さんが手を入れて未熟児の赤ちゃんたちをマッサージする。赤ちゃんたちの成長と発達を促すために。

心理学者でマイアミ大学ミラー医学校の教授、ティファニー・フィールドは1982年に未熟児のタッチ・リサーチ・プログラムをマイアミ大学ジャクソン記念医療センターで始めた。彼女は最初、くすぐるような軽いマッサージをおこなったが「赤ちゃんたちは好きではなさそうだったみたい」と彼女は言う。彼女はそれから実験室のラットが子どもをどのようになめるかを観察した。ラットが子どもをなめるのは皮膚の下の圧受容器を刺激するためだった。それによってラットの子どもは成長し発達するように刺激していた。

ティファニー・フィールドと彼女の研究チームは最近、ゴールデン・グース賞を受賞した。それは国家的な賞で、連邦が基金を出したプロジェクトで、実用的というよりは経済的、社会的利益をもたらしたことに与えられた。

医学コミュニティーが未熟児のマッサージ治療を受け入れる10年前からフィールドとタッチ・セラピー・プログラムは始まった。今日、未熟児タッチ・セラピーはアメリカの乳児集中治療室の40パーセントで使われ、乳児一人あたり1万ドルの治療費を削減し、国家的には毎年470万ドルの医療費を削減させ、未熟児の赤ちゃんの入院期間を約1週間短くしている。

より重要なことに、マッサージは未熟児たちの成長を助ける。「肌を押すことは脳の活動を刺激する。心拍数や血圧を下げてより深い睡眠をもたらし、赤ちゃんたちはイライラしなくなって究極的にはメンタルな発達とフィジカルな成長をもたらす」とマイアミ大学マリマンこども発達センターのタッチ・リサーチ研究所の所長となったティファニー・フィールドは言う。

フィールドは個人的経験から未熟児に興味をもった。彼女は自分の娘を1976年に1カ月の早産で産んだ時、彼女はちょうどマサチューセッツ大学の発達心理学の学生だった。彼女は赤ちゃんが乳首やオシャブリをしゃぶった時、しゃぶらなかった未熟児と比較して乳児たちの体重が増え、チューブからの栄養を早期にやめて、神経学的テストにも良い成績を残したことを発見した。「口の中で行われた刺激を全身で行ったら何を成し遂げられるかについて議論した」とフィールドは言う。「わたしの娘はわたしのモルモットになったの」。

フィールドは自分の娘を毎日マッサージした。彼女は自分の娘の背中を毎日軽くマッサージして、腕と脚を動かした。それは気分を落ち着かせて、顔の上をストロークして腹と脚を刺激した。フィールドは娘の不安を減らし、もっと飲むように勇気付けるようにタッチの力を用いた。「今、赤ちゃんは38歳で、わたしよりも背が高くて賢い」とフィールドは言う。

フィールドはジョンソン・アンド・ジョンソンからマイアミ大学の研究プログラムを受託した。フィールドと共同研究者、シンシア・クーン、ゲイリー・エヴォニック、そしてサウル・シュアンベルグは、すでにラットが口でなめる時に見つかるホルモンをマッサージされた乳児たちから発見している。彼らは肌を押され、マッサージされ、運動させられた未熟児の体重が増えて、成長が早くなることをつけくわえた。

研究は、タッチ・セラピーが保育器に残された未熟児に比較して、マッサージされた未熟児が平均体重を47パーセントも増やしたことを示した。研究はまた、マッサージが循環機能、筋肉と神経システムを促進し、コミュニケーションと両親と赤ちゃんの親密さを増すことも示している。

フィールドと彼女の研究チームのマッサージ・セラピストたちは、カルデナスと30歳の父親のデヴィッド・グティエレスに赤ちゃんにタッチ・セラピーをする方法を教えた。消毒された手で保育器の腕を入れる穴に手を入れ、両親はやさしくゆっくりと赤ちゃんに、それぞれのからだの部位にマッサージをしていく。「あなたたちは赤ちゃんがすごくデリケートだと思っているけど、実際には元気いっぱいで、すぐに触られるのになれる」とフィールドの研究チームの免許をもったマッサージ・セラピストのグラディー・ゴンザレスは言う。「マッサージは気持ちをおだやかにして赤ちゃんとお母さんのきずなを作ります」。

赤ちゃんが退院後でも、フィールドは子ども達がもういらないというまで毎日15分間、1日3回、こどもをマッサージすることを勧めている。「タッチ・セラピーは未熟児だけでなく、全ての違う状況の子供に使われるべきだ」とフィールドは言う。

カルデナスとグティエレスは、フランチェスカ、ジュリアン、セバスティアン、そして助からないと言われていたベイビーD(今はガブリエル)を11月中旬には家につれかえることを希望している。

 

 

マイアミ大学医学部のティファニー・フィールド教授は、小児マッサージを西洋医学の世界で初めて科学的に研究した人物です。1976年にマサチューセッツ大学で発達心理学を研究している際に娘さんを早産で出産し、自分の娘で実験し、マッサージが未熟児の発達を促すことを最初に提唱しました。ティファニー・フィールド教授はいまや、世界のマッサージ研究者のトップとみなされています。

早産の新生児へのマッサージは現在、西洋医学で大きな話題となっており、2013年にはイギリスのプリマス大学の研究者たちによるコクラン・システマティックレビュー「生後6カ月の乳児の精神的・身体的健康の発達におけるマッサージの促進」が発表されました。

Massage for promoting mental and physical health in typically developing infants under the age of six months.
Bennett C, Underdown A, Barlow J.
Cochrane Database Syst Rev. 2013 Apr 30;4:CD005038.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23633323

 

 

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