因地制宜: 四川省の新型コロナウイルスの弁証

 

 

2020年1月30日
「四川省から最初に退院した患者は中西医結合で治療された」
四川首个治愈出院患者曾接受中西医结合治疗

 

四川省成都の楊さん34歳は、1月11日に成都中西医結合医院を受診し、隔離され、達原飲合銀翹散加減を投与され、発熱が緩解し、1月21日に新型コロナウイルス肺炎と確定診断し、中医学では湿熱蘊肺と弁証され、清気化痰湯合藿朴夏苓湯で治療されて、1月29日に退院手続きをとりました。

 

達原飲は明末の呉有性著、『温疫論』に初出している処方で、少陽三焦の半表半裏に湿が停滞する邪伏膜原という弁証に使われます。『温疫論』はまさに温病学の文献です。

 

銀翹散は清代、呉鞠通著、『温病条弁』に初出している処方です。代表的な辛涼解表、
清熱解毒で、風熱感冒の処方です。つまり、最初に投与されたのは温病の清熱の処方になります。

 

1月21日に新型コロナウイルス肺炎と診断され、湿熱蘊肺と弁証された後の清気化痰湯は、
明代、呉崑著、『医方考』に初出している清熱化痰・理気止咳で、熱痰咳嗽を治療します。

藿朴夏苓湯は初めて聞きました。中華民国の厳鴻志先生が1920年に書かれた『感証輯要』に初出し、湿温に使われ、理気化湿・疏表和中します。これも温病学の処方です。

 

中医学には因地制宜の原則があり、地域によって治療法を変えます。北京は初期を寒湿の湿瘟と分析していますが、蒸し暑い広東省は「湿熱疫毒を病因として、湿・熱・ 瘀 ・毒・虚が病因」と分析していました。四川省も特徴のある蒸し暑い気候で知られており、湿熱蘊肺と弁証しています。

同じ新型コロナウイルスなのに、地域によって弁証も処方も異なるのです。これは西洋医学の発想にはないです。今回は、北京の先生方の武漢の気候風土の分析など、本当に勉強になります。

 

 

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