中西医結合

 

2020年1月28日『グローブ・アンド・メール』
「コロナウイルス・アウトブレイクの震源地で西洋医学は中国伝統医学と出会う」
At the epicentre of the coronavirus outbreak, Western medicine meets traditional Chinese remedies

 

以下、引用。

2つの(新型コロナウイルスへの)推奨処方は、中医学では燥湿に使われる蒼朮、清熱の金銀花、
去痰の陳皮、免疫反応を高める黄耆、その他のハーブである。

この推奨された薬品は2003年のSARSウイルスの流行の際に勧められたものが武漢のコロナウイルスでも同じように勧められている。

 

これは湖北省政府が発表した『湖北省新型冠状病毒感染的肺炎诊疗指南(试行第一版)』という中西医結合の予防案です。

 

以下、引用。

香港大学の中国医学研究所のトップ研究者である梁秉中の研究では、SARSへの西洋医学治療に加えて半数の患者が中医薬治療を受けた。中国の当時のリーダーは、新聞でSARS予防に中医学の漢方を勧め、中医師たちに西洋医学の生物医学者とともに働くようにしたと、2008年に『ランセット』で西洋医学と中医学の統合を賞賛したジョンホプキンズ大学の研究者、中国医学史の専門家であるマルタ・ハンソンは述べる。

 

 

ジョンホプキンス大学の中国医学専門の歴史学者マルタ・ハンソン先生の論文

2008年10月25日『ランセット』
「毛沢東主義者の公衆衛生キャンペーン、中医学、SARS」
Maoist public-health campaigns, Chinese medicine, and SARS
Marta Hanson
The Lancet
Published:October 25, 2008
https://www.thelancet.com/…/a…/PIIS0140673608616104/fulltext
(オープンアクセス)

 

以下、引用。

2003年のドイツの研究者の研究は、SARSに対して甘草に効果があることを証明した。

 

2003年『ランセット』論文
「リコリス甘草の根からのグリチルリチンと、SARS関連コロナウイルスの複製」
Glycyrrhizin, an active component of liquorice roots, and replication of SARS-associated coronavirus.
Cinatl J,
Lancet. 2003 Jun 14;361(9374):2045-6.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12814717
https://www.thelancet.com/…/PIIS0140-6736(03)13615…/fulltext

ドイツ、ゲーテ大学フランクフルト・アム・マインのジンドリッチ・シナトル先生の研究です。

以下、引用。

武漢の政府が中国伝統医学の薬を勧めたのは西洋医学との併用をする限り意味があると、2003年の論文の共著者でウイルス学者のジンドリッチ・シナトルは述べた。

 

今回の新型コロナウイルス肺炎に対して甘草の入った麻杏薏甘湯、麻杏甘石湯が処方されているのは偶然でしょうか。

 

2020年1月29日に軍事医学科学院毒物薬物研究所として知られる武漢病毒研究所が3種類の新型コロナウイルスに抑制作用のある物質を発表しました。

2020年1月29日
武汉病毒研究所:3种药物对新型冠状病毒有较好抑制作用
http://www.bjnews.com.cn/news/2020/01/29/681126.html

 

「ギリアド・サイエンシズ」がエボラやマールブルク出血熱に対して抗ウイルス薬として開発したレムデジビル、抗マラリア薬のクロロキン、抗HIV薬でプロテアーゼ阻害薬のリトナビルです。しかし、現在は抗ウイルス作用は漢方の生薬の有効成分を探る還元主義ではなく、麻黄湯に抗ウイルス作用があるという、処方そのものに抗ウイルス作用を認める研究が増え、静かに科学革命を感じます。

 

 

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