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中国の蔵医とチベット医学

2022年10月30日中国・人民日報国際版『グローバル・タイムズ』
「チベット伝統医学は30年も好ましい政策と研究所の努力のおかげで北京で実践され、大切にされている」
Traditional Tibetan medicine treasured and practiced in Beijing for 3 decades thanks to favorable policies, efforts by institutes

 

 

中国共産党の第20回党大会で、習近平の指示に従い、新疆ウイルグル自治区で抑圧政策をしてきた陳全国の引退が決まりました。

陳全国は2011年から中国共産党チベット自治区委員会書記としてチベットを支配し、その苛烈な人権抑圧政策のもとで100人以上のチベット僧侶が焼身自殺しました。
 

2016年から陳全国は新疆ウイグル自治区で中国共産党新疆ウイグル自治区委員会書記を務め、ウイグル人を強制収容所で再教育してきました。アメリカ政府は2020年7月に陳全国を名指しで人権抑圧で告発し、アメリカでの財産を凍結しました。

2022年7月14日『北國新聞』
「新疆前トップ政治局員、退任へ 中国、抑圧手法を問題視」
https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/796813

 

以下、引用。

中国伝統医学の重要な一部としてチベット医学は民族医学を代表しており、チベット医学は貢献していると、北京中国チベット学リサーチセンターのチベット医学部門の副理事であるルオブ・ザシは語った。

チベットでもウイグルでも、全人大に出てくるチベット人やウイグル人は、「チベット語を廃止して中国語を学ばせよう」「ウイグルの文化を廃止して中国文化に染まろう」と主張する人が議員となっています。日本も敗戦後に漢字を廃止してローマ字にするか、英語公用語化を主張した日本人学者がいっぱいいましたが、それと同じです。

一方で、ダライ・ラマが亡命しているインド政府はチベット医学をインド伝統医学の一部として組み入れ、それにダライ・ラマも賛成しました。

インド伝統医学省は2019年11月20日にインド、元ジャンムー・カシミール州ラダックの中心都市レーに国立チベット医学(ソワ・リグパ)研究所の設立を決定しました。

インドのダラムサラに、1961年にダライ・ラマのチベット亡命政府が創ったメンツィーカン(チベット医学暦法研究所)があります。チベット伝統医学は、インドのダラムサラ、メンティーカンが中心であり、インドの各地方、ブータン、ネパール、モンゴル、そして、ロシア連邦のブリヤート共和国、トゥヴァ共和国、カルムイク共和国、サンクトペテルブルクまで拡がっています。ダライ・ラマのチベット亡命政府がささえるチベット伝統医学は国家の後ろだてを持たず、ただそれを支持するユーラシア大陸の民衆と世界中のチベット支持者たちに支援されて存続してきました。中国伝統医学の一部としての蔵医学とは対照的だと思います。

 

 

 

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