『鍼灸金方』『新国医鍼灸講義六種』

 

楊医亜先生の『鍼灸金方』(河北科学技術出版社、1986年)を紹介します。

内容は病気に対する配穴と鍼の深さや手技ですが、きちんと症例を呈示し、「按」の部分で古典に基づく配穴の場合は弁証や出典まで述べています。

1980年代から1990年代の中医学鍼灸は良い本が多いです。梅核気に天突・列欠・照海など、私が読む前に使って効いたことのある配穴が頻出するので信用できます。

 

 

楊医亜著、『新国医鍼灸講義六種』
新国医针灸讲义六种
学苑出版社2016年10月

 

1937年に中華民国で出版された国医(のちの中医学)の鍼灸の教科書です。

鍼の手法について大変詳しく、57ページからの配穴概論では大椎、合谷、曲池で解表、合谷、復溜で止汗、合谷、太衝の四関穴で気血をめぐらせるなど、まるで李世珍先生の配穴が書かれています。

71ページからの孔穴学講義では、日本の文部省の経穴調査会と吉田弘道先生から講義がスタートします。

 

著者の楊医亜先生は、北京四大名医、施今墨先生に北京華北国医学院で学び、1943年には北京華北国医学院教授に就任し、四小名医と呼ばれました。

北京四大名医は萧龙友、施今墨、孔伯华、汪逢春です。北京四小名医は、皮科大夫赵炳南、正骨大夫夏继武、内科大夫李景泉、针灸大夫王乐亭と書かれている文献もあり、おそらく王楽亭先生とは世代が違うためだと思います。

楊医亜先生は玉森貞助の1935年出版『鍼灸秘開』など、1940年代から1950年代に日本の鍼灸文献を中国語に翻訳しています。

 

 

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